第67話 良い包丁を買いました
ゼスは刃を根本から見て、さらに外観もしっかり見て、何かを切る体制になってバランスも確かめていた。
「ふむ。軽くもなく重くもなく、ちょうどいい塩梅の重心じゃな」
キラリと光る刃は、顔が写るほどに研がれていて、その切れ味が良い事を想像できた。
「よし! これを買おうぞ。よいなリリカ」
「ゼスが気に入ったのなら、文句はないわ。じゃ、お代はこちらに」
店主に支払いをして、梱包をしてもらって品物を受け取り、外に出た。その時のゼスの表情は、なんだか嬉しそうだった。
「さてじゃあ、イモを買って帰りましょ。その包丁の切れ味も確かめないとね?」
「うむ、もちろんじゃ」
さてイモも買って帰ってきて、夕飯の支度だ。相変わらず用意はゼスが取り仕切る事に。
「さてでは、早速例の包丁を使ってみるのじゃ」
と言って取り出した包丁。イモの皮をむいてみるようだ。すると、ゼスの顔色が喜びに変わって行くのがわかった。
「リリカよ! この包丁は良いぞ! スイスイと皮がむける!」
どうやらいたく気に入った様子だ。
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