第82話 その後②
ゲオルグ様の言う事も理解は出来るのでそれ以上の質問はやめておいた。
「エドガーよ、陛下からの爵位と褒賞とは別に何かオレから褒美を授けたいんだが何かあるか?」
「今回の件で村の予算をかなり使いましたのでそれの補填を‥‥‥」
「いや、それとは別にだ。お主個人の褒美だ」
あーきた。これは遠慮なく言って良いだろう。
「では‥‥‥白金貨100枚をお願いします」
白金貨100枚は日本で言えば一億円くらいだ。くれるかな?
「ほう、遠慮なく言ったな。‥‥‥良かろう。エドガーへの褒賞は白金貨100枚としよう」
「ありがたく頂戴致します」
最後はまた臣下の礼を取る。
白金貨100枚はあとで別の部屋で渡されるらしい。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「エドガー様!」
「エリーゼ様、お元気になられたようで。ご回復おめでとうございます」
エリーゼ様に会った。まぁここが家だし。
「エドガー様は明日には王都に向かわれると聞きまして。ようやく退院出来ましたのに!」
「まぁまぁ。じゃあ今日はこの後ゆっくりお話しでもしましょうか?」
「まぁ! なんて素敵なご提案!! すぐにお茶の用意をさせますわね。セバス!」
「‥‥‥ご用意してございます」
セバスさん、執事として優秀過ぎるだろ‥‥‥。あれか? 思考が読める系のスキルとかなのか?
いい天気なので庭に案内された。
お茶やお菓子が出てきてお喋りが始まった。
エリーゼ様のトークフルスロットルだ。
「エドガー様。ワタクシも王都に行きたいですわ! 来年の受験の下見という事で一緒に行けないものでしょうか?」
「それは‥‥‥ゲオルグ様に聞いてみてくださいな」
「いけません、お嬢様。明日も明後日も習い事がございます。入院されていた事でスケジュールが詰まっております故‥‥‥」
セバスさんがエリーゼ様を嗜める。
「‥‥‥わかってますわよ。言ってみただけですわ」
ため息を吐いてお茶を飲むエリーゼ様。
俺からお節介な一言。
「アカデミーに行くようになれば嫌でも王都に住むようになりますよ」
「それはそうでしょうけど‥‥‥」
そういえば一つ聞いておきたかった。
「エリーゼ様はアカデミーに行って何をなされるおつもりですか?」
「何って‥‥‥もちろん勉強ですわ。何をおっしゃっているの?」
質問の仕方が悪かったか。
「質問を変えますね。どの様な勉強をされるおつもりですか?」
「‥‥‥どの様な勉強って言われても。お父様やお兄様達に言われて行こうと思ったのですわ」
「‥‥‥将来はどの様なお仕事をされたいですか? 興味のあるお仕事はありますか?」
アカデミーに入るとしても目標や目的意識の有る無しで大きく違ってくると思う。
前世の大学とかでもそうだった。でもご令嬢だから仕事はしないのか?
「‥‥‥少し考えますわ。その答えは明日でもよろしいでしょうか?」
「あ、いや。アカデミーに行くまでにじっくりと考えておいてください」
別に俺は面接官でもないし、答えが欲しいわけではない。エリーゼ様のアカデミー生活がより充実したものになると良いなと思っただけで。
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