第68話 遺跡ダンジョン

 みんなで森に向かう。


 モンスターは一匹も現れなかった。

 フルルが風の精霊と連携して索敵を行い、こちらに近づきつつある場合はライフルで狙撃していたから、だそうだ。


 万が一近づかれてもティナの44マグナムが火を噴いた事だろうけど。


 森の中を歩く事、約二時間‥‥‥

「遺跡ダンジョンはこの先だ。入り口に罠があるから気をつけてくれ」


 それっぽい建築物が見えてきた。入り口であろう場所に石像が二体置いてある。人の身体に鳥の顔と翼を持った悪魔の像なのかな。


「やはり復活してるか。あの石像が動き出すんだ。近づいて背後を見せると襲いかかってくる」

 マリ◯の幽霊みたいなやつなのか?


「なるほど、背後を見せなきゃいいんだな。フルル、狙え」


「はい、エドガー様」

 チャキっとライフルを構えるフルル。


 パシュッ!!!!


「‥‥‥割れてないですね。普通の石じゃないのでしょう」

「まぁ動く時点で普通の石じゃないか、これ以上試して無駄弾を使うのは良くない。‥‥‥ティナ、頼む」


「はい! エドガー様はここでお待ちください」

 ティナは念の為構えていた拳銃をホルスターにしまい、拳にミスリル製のナックルを装備する。


「‥‥‥っせーのっ!!!」


 ガッキーン!!!! 

 ピシピシ‥‥‥ガラガラガシャーン!


 石像にヒビが入り、原型を留めないくらいに砕けて崩れ落ちた。


 それを見て怯えたのか隣の石像がカタカタと震えだした。


「ティナ、そっちも壊してしまえ」

「了解です!!」


 ティナがこちらを振り向いた隙をついて石像が動き出した。一番近くのティナに飛び掛かる。


「はっ!!」

 ティナが左脚で真上に蹴り上げる。石像のくちばしにクリーンヒット。

 くちばしを蹴り上げられた石像は当然真上を向かされる。


 隙だらけの石像の胴体にティナ渾身のストレート。

 石像は先程同様にヒビが入り、砕けて崩れ落ちた。


「エドガー様! 仕留めました!!」

「よしよし」

 喜んで駆け寄ってくるティナの頭を撫でてやる。


「アタシらでも四人掛かりでなんとか倒すのに‥‥‥一人でしかも一撃かよ?」

「俺たちティナさんには逆らわないようにしますわ」


 門に近づく。なるほど、右扉の中心にあるプレートに何やら書いてあるな。


 じっと眺める。

「ここまではアタシらも来られるんだけど、この門から先が進めないんだ。その文字読めるかい、エドガー?」


「‥‥‥あぁ、読めるよ」

「やっぱりそうだよな。さすがのエドガーでも‥‥‥って読めるのか!?」


 この文字は日本語だった。

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