堕天者の旅路

赤野星

prolog

第1話 旅の始まり

 カランカラン_


 扉が開いた音がし、中に居た人々が一瞬扉の方に目を向けるが、入ってきたのは、白髪で15歳位の華奢な少女一人だった。少女と言ってももう既に成人でほある。そして少女に目を向けた人々は直ぐに興味を失いまた元のように騒ぎだす


 ここは冒険者ギルド

 お金を稼ぎたい者、強さを求める者等、様々な人々が所属している場所だ

 そして、ギルドのモットーは

『来る者出る者拒まず』

 5歳の子供が入りたいと言っても、

 歴戦の冒険者が引退すると言っても、

 絶対に拒む事が無いと言っている

 勿論建前だけだが


「今日はどう言ったご要件で?」

「冒険者登録をしに」


 そして今日もまた一人冒険者が増える





_________________


「それではこの紙に種族、年齢、名前、ギルドの所属理由、使用武器、魔法適正がある場合は書いてください」

「全部書かないとダメですか?」

「いえ、種族や年齢は書かなくても大丈夫です。また名前は偽名にして頂いてもいいです」

「分かりました」




 う~ん…

 ギルドってもっと審査とか厳しくて、色々書かないとダメだと思ってたけどそうでも無いんだなぁ…。

 まぁとりあえず書かないと…

 所属理由…?

 やっぱ旅するのに便利だからかなぁ…


「種族と年齢は省いて…書けました」

「はい、お預かりいたします、それではギルドカードを作って参りますゆえ、少々お待ちください」

「分かりました」





「こちらがカードになります、紛失した場合、再発行料の銀貨3枚をいただきますのでご注意ください」

「はい」

「それで名前は…レイルさんですね、ではレイさんようこそ冒険者の世界へ、それではギルドの説明はいりますか?」

「あ~要りません」

「説明が無くてもほんとに大丈夫ですか?」

「はい、まぁ元々旅するのに便利だと思って入ったんで」

「そうでしたか、それではすぐに出発なされるんですか?」

「はい、そうですね」

「そうですか、ならよい旅を」

「ありがとうございます」


 この受付嬢よく喋るなぁ…

 全員これがデフォルトなのかな?



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る