第40話 町へ
「名乗りが遅れましたこと、平にご容赦願いたく。私はティアミーラ・ガルンド。改めて、リリーナ・リインレイト様に感謝を申し上げます」
「おぉ! ティアミーラ様! 何と立派なご挨拶を!」
子供らしくない挨拶をするティアちゃんと、暑苦しく感涙するガースさんだった。なんかこう、授業参観に来たお父さんみたいな?
「……叔父上による数々の無礼、どうかお許しいただきたく」
「あ、いえ、お気になさらず」
まさか子供相手に『謝って済むなら警察はいらんねん!』と詰め寄るわけにもいかず、ぎこちなく答える私であった。
「え~っと、保護者(?)が来たなら、ティアちゃんとはここでお別れかしら?」
「…………、……いえ、人間族の警察制度には詳しくありませんが、取り調べなどあるのでしょう? 被害者である私たちが立ち去ってはややこしいことになるはず。ここは近くの街まで同行したほうがよろしいかと」
ガースさんがいるから立派な姿を見せたいのか、先ほどまでより饒舌に対応してくれるティアちゃんだった。う~んやっぱり授業参観的な?
いやしかし、ティアちゃんってたぶん十歳かそこらよね? 前世で言えば小学生。なのにここまで立派な考えができるって凄くない? 元王太子とか元義息なんてきっとそんな態度を取れないわよ?
ま、とにかく。
夜も遅いということで、もう一眠りしてから近くの街へ移動することになった。
当然のようにティアちゃんは私に抱きつきながら眠りにつき(デレ期?)、ガースさんは『初対面の女性に求婚するような野蛮な男は反省していなさい』とティアちゃんに命令され、洞窟の外で正座待機となっていた。
◇
ガタンガタンと馬車に揺られながら、近くの街を目指す。私の馬車に乗っているのはティアちゃんと、リッファ君(獣人の男の子)。あとなぜかアズとミアも同乗している。私の両隣にティアちゃんとリッファ君が座り、相向かいの席にアズとミアが座っている形。
いや私の剣となったアズは分かるけど、なんでミアまで? あなた自分の馬車があるでしょうが。今もこの馬車の後ろを走っているでしょうが。
「お姉様は油断も隙もありませんからね。近くにいて監視しませんと」
5歳年下の少女から監視されるって何? どういう状況? 私監視されるようなこと何もやってないわよね?
「まさか初対面の獣人だけではなく、分家当主からも求婚されていたとは……」
そんなことをつぶやくミアだった。一体誰が教えたのかしら? あの場にいたライヒさんが一番可能性が高いけど、契約して私のことが色々読み取れるようになったアズやフレイルが教えたという可能性もあるかしら?
「……これはお兄様の尻を叩かないといけないですわね。グズグズしている暇はありません」
なんだか黒い笑みを浮かべるミアだった。
※どうにも纏まらないので一部設定変更、タイトルも変えたいのでここで一旦休止&再投稿したいと思います。
今度は小説一巻分書き終えてから投稿したいと思いますので、その時はよろしくお願いします。
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