第18話 四大精霊

 猫たん事件から10日が過ぎていたが、僕達はまだ死の森にいた。


 僕は爆発で吹き飛ばされ高度から自由落下するも、落下前に大幅なレベルアップをしていたために、落下の際の衝撃でも怪我をすることも無事だったらしい。


 らしい、って言うのは、僕はその時気を失っていたから。エルフィやシルフィの話では、レベルアップでの急激な進化に、心も体も耐えられなかったために一時的に脳がシャットダウンしてしまったと言う事みたいだった。

 お陰で目が覚めるまで一週間も時間がかかったという訳だ。


 進化後の僕の身体はマジで凄くなっていて、体つきが一回りは大きくなっていた。ボディービルダーの様に大きな筋肉ではなく、全身しなやかで無駄のない強靭な筋肉、腹筋は人生初の6パック、体脂肪率10%以下の絞られた肉体だ。

 身長も少しだけど大きくなっていたので、もしかしたらとパンツを見たら・・・サイズアップしていた。今の所は使いどころがないけど、ここはこれで嬉しい。


 困ったこともある。身体の使い方だ。力も体力も大きく上昇したためコントロールが難しいのだ。

 例えば、いつもの感覚で物を掴めば壊してしまう。なので、目覚めてからの三日間は身体の調整と力のコントロール訓練を行っていた。

 

 中々になれない。感覚的に言うのは難しいけど、軽自動車がF1カーになったような感じで、自分の身体なのに使いこなすのが難しい。もう暫くは身体と感覚の調整を行っていく予定だ。


 こんな体の状態じゃ、町に帰っても皆に迷惑かけるだけだからね。何があっても困らないこの死の森でじっくりと整えたいと思う。


 幸いと言うかマジック・ハウスには大きな食糧庫が付いていて、エルフィが旅に出る時に、エルフィのお婆さんが食べ物に困らない様にと肉や魚、野菜におやつなどの他にもお酒なんかも沢山入れてくれたらしい。

 何でも食糧庫に入れた食材は入れた時の鮮度が落ちることなく、何年たっても腐らず美味しいままで保存が出来るとのことで、少なくても1年分以上の備蓄があるそうだ。


「いつまでも居てくれてもいいからね。遠慮せずに沢山食べてよ。大丈夫、大丈夫だよ。どうせ僕らは、ふふふーん」


 エルフィがこう言ってくれているので、もう暫くの間はお言葉に甘えて世話になる事にする。


 食事の調理や跡片づけは全部シルフィがしてくれている。シルフィは調理上手で何を作っても美味しい。その内日本料理も作ってもらいたいと思っている。

 シルフィは掃除や洗濯、お風呂の準備と家事全般を担ってくれているので、甘えて世話をしてもらっている身としては頭が下がる思いだ。

 

 それに加えて最近では毎日のように精霊としての仕事で、家事の合間に何度も精霊界を行き来していて、行く度に疲れた様子で帰って来る。

 シルフィに僕にも出来ることはないか、手伝えることはないかと声をかけても、マスターのお世話は私の生き甲斐ですとばかり言って、何も僕に手伝わせてくれない。何か僕にしてあげられることはないのかな?


 そうそう、僕が起きた時には猫たんはすっかりと元気になっていた。猫たんは僕が寝ている間中、ご飯とトイレ以外はずっと僕から離れず僕の枕元で添い寝をしてくれていたそうだ。

 

 それは目が覚めた後も同じでずっと僕から離れず今は何処に行くにもいつも一緒だ。 


 猫たんは僕から離れるつもりが無いようなので、三人で話し合って飼うことにした。猫たんは女の子で名前はマール。これから僕達の新しい家族だ。



 更に二日過ぎた日の昼食、エルフィは料理にかぶり付き、僕はマールを膝に抱えて、シルフィさんが作った料理を三人で食べている時のことだった。


「マスター大変申し訳ありません。実はマスターに会いたいと言う者達がいるのですが、少しお時間をいただいても宜しいでしょうか?」


 シルフィは僕に本当に申し訳なさそうに両手を体の前で組んで体を小さくしている。


「嫌ならいいのです。無理にとは言いません。むしろ断っていただいて全然構いません」

「シルフィの知合いなら別に僕は構わないよ。ちょくちょく精霊界に帰っているみたいだけどその関係者かな?」

「はいマスター。ご迷惑ばかりかけて申し訳ありません。どうしてもマスターに会いたいと皆聞かなくて」

「精霊が、モグモグ、会いたいなんて、モグモグ、自分達から、モグモグ、ゴクン。言うなんて聞いたことないね」

「エルフィ、食べるかしゃべるか、どちらかになさい。お行儀が悪いですよ」

「モグモグモグモグモグモグ」


 僕はいつもシルフィの世話をしてもらって迷惑をかけている身としては、シルフィの頼みは出来る限り聞いてあげたい。


「良いですよ。何時がいいですか?」

「大変申し訳ありませんが、昼食後直ぐにではいかがでしょうか?」

「構いませんよ。じゃあ直ぐに食べちゃいますので少し待ってもらっても良いですか?」「マスター本当にありがとうございます」

「モグモグモグモグモグモグモグモグ」



 昼食後、家の外でシルフィの友達との面会が始まった。


「貴方達もう良いですよ。出ていらっしゃい」

 シルフィの言葉に精霊達の光が集まり出した。シルフィの時と同じ現象だが、集まる精霊の数が違う。あの時より圧倒的に多い。 集まった精霊達はやがて三箇所に集まり、三つの姿を現した。


「水の精霊ウンディーネと申します」

「火の精霊サラマンダーだ」

「えっと、土の精霊ノ―ムです」 


 全員女性体だ。


 水の精霊ウンディーネはおっとりとした印象を持つ美しくむっちりとした肢体の女性。水色の腰まで届く長い髪。糸目で右の目尻に泣きボクロがある。水色のドレスに隠れる豊満な胸とお尻の秘密は、いつか僕が絶対に解明したいと思った。


 火の精霊サラマンダーはショートカットが似合う元気漲るエネルギッシュな野性味を感じる女の子。赤い髪に少しだけ吊り上がった挑戦的な目と口元、スレンダーな肢体の上には赤い皮のジャケット、パンツを身に付けている。若干サイズが大きいのか中にシャツが浮いている気がする。もし彼女が前かがみの姿勢になった時には、是非僕も前かがみの姿勢で返したい。

 

 最後は土の精霊ノ―ム。間違いない。この子は美少女妹キャラだ。見た目は小学校の高学年。クリーム色の肩までのセミロングの髪、保護欲をそそる輪郭の整った顔立ちに、まだ成長期を迎える前のような小さな身体。袖なしの可愛いシャツにクリーム色のショートパンツ姿。是非彼女にはお兄ちゃんと読んでもらいたい。そうしたらお兄ちゃんは何でも買ってあげよう。


 並列思考はとても便利だ。重宝している。 


「僕はアケカミ・アキラです。宜しくお願いします。それで今回は僕に用事が有るとのことでしたが、どの様なことでしょうか?」

「私(俺)と契約して下さい。私(俺)のマスターになって下さい」


 三人の精霊は僕にそう言うとすり寄ってきた。


「だって、シルフだけが契約ってずるいじゃ無いですか!私より年下なのに一人だけ彼氏作って!」

「そうだぜ!俺なんて何時呼んでくれても良いようにずっと心決めて待ってたんだぜ!」 「私もアキラさんと一緒に居たいです」  


「ねえ、シルフィ。何なのこれ?」

「はい、マスターは精霊界でもある理由があって有名なのです。私がマスターと契約を知った彼女達が連日連夜しつこい位に契約したいから、間を取り次いでくれと」 

「四大聖霊を統べる者なんて、僕今まで聞いたこと無いよ。相克の関係なんてあったものじゃ

ないじゃないか」


 何故僕が精霊に好かれるのか理由は分からないけど、取り敢えず、身体ですり寄られて色々と気持ち良い所が当たっている。


僕は感触を一秒でも長く楽しむために、困っている振りをして、返答を先延ばしにした。


「先見の明のスキルを習得しました」



アケカミ・アキラ 20歳

来訪者・超越者

レベル157  力 SS 体力 SS 速 SS 賢さ SS 魔力 SSS  神力 A

属性 地 水 火 風 光 精 召 神

加護

創○神の加護


契約

風の精霊 シルフィード


神魔融合魔法 

ファイナル・シャイン・フラッシュ・・・オリジナル終焉魔法。


覚醒スキル

神魔融合・・・超絶スキル。神力と魔力を融合することが出来る。


特種スキル

舌技・・・舌を自在に操ることが出来る。極めると少し舌が長くなる。


習得スキル

脱力・・・体の力を抜いて動きやすくする。

毒無効・・・すべての毒が無効。

バーサーカー・・・混乱状態になるが身体能力100%アップ。

身体強化Ⅰ・Ⅱ・・・身体能力向上 Ⅰ20% Ⅱ40%アップ。

ステータス・・・自分のステータスを見る事が出来る。

人望・・・人の心を捉えやすくし離さない。

魔力操作・・・自分の魔力をコントロール出来る。

魔力感知・・・魔力の有無、強さ、場所などを把握することが出来る。

鑑●

オートリジェネート(小)・・・僅かだが魔力がある限り傷の自己修復を行う。

潜伏・・・気配を消して察知されづらくなる。

集中・・・知覚・感覚が15%アップ。

危険察知・・・身に迫る危機をある程度察知することが出来る。

並列思考・・・同時に複数の事を考え処理することが出来る。

限界突破・・・自分の限界を超えた力を出すことが出来る。

再動・・・失った力を一度だけ(50%)取り戻すことが出来る。

先見の明・・・先に起きる自身に有益な事象を予測する事が出来る


武技スキル

剣技刺突閃光一式・雷光・・・稲妻の速度での刺突。練度が上がれば雷を纏う。

剣技刺突閃光一式・桜花・・・雷光より速度は落ちるが多連激技。

八剄・・・発剄、寸勁、沈墜勁、十字勁、纏絲勁、爆発勁、透化勁、浸透剄。強力な一撃で敵を倒す

縮地・・・神速の移動。熟練者は空を蹴る事も出来る。

武技 魔力闘法・暁・・・全身に魔力を纏い戦闘術。魔力の強さにより何十倍の攻撃力と防御力(魔法防御含む)を得ることが出来る。

魔力砲・・・魔力の砲を打つことが出来る。





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