第38話 ブラックドラゴン、裸の美少女となる「……娘よ。貴様の胸では主人を満足させることはできぬぞ?」

「主人の持つ竜眼……まさに竜の王の証なり。我は主人のしもべとなろう」


 ブラックドラゴンは、俺に頭を下げた。


「優斗……ドラゴンが喋ってるよ」

「湊川くん、これっていったい……」

「り、理解不能なのですぅ……」


 亜美、委員長、黒崎も、目を丸くしている。


「どうした? 主人よ。我に何なりと命令を」


 竜眼——たぶんテイマー系スキルらしい。


 テイマースキル持ちは、前回の迷宮攻略にいた。


 モンスターと契約して、命令できるスキルだ。


 竜眼は、ドラゴン系のモンスター限定で従えるスキルのようだ。


【ブラックドラゴンと契約しますか?】


 このブラックドラゴンはかなり強い。


「もちろん契約する」


【ブラックドラゴンが仲間になりました】


「主人よ。我と契約してくれて嬉しいぞ」


 ブラックドラゴンが唸る。


【ブラックドラゴンを人型にしますか?】


 人型……?


 どういうことだ?


 まあ試しにやってみようか。


「人型にする」


 ぽん……っ!


 巨大なブラックドラゴンが、


 女の子になった。


 紅い髪、紅い目の美少女。


 しかも、裸の——


「久しぶりに人型の姿になったぞ。さあ、我が主人よ。契約の証をくれ」


 裸の女の子(ブラックドラゴン)が、


 俺に抱きついてきて。


 ふにょん、ふにょん♡


 たわわな胸が、俺に当たりまくる。


 (うお……すげえ柔らかい! いい匂い!)


「我が主人よ。我に子種をくれまいか?」


「「「あたしの優斗(湊川くん)に何してるのーっ!」」」


 亜美、委員長、黒崎が叫ぶ。


「こらっ! このクソドラゴンっ! あたしの優斗から離れなさいよっ!」


 亜美がブラックドラゴンを剥がそうとするが、


「……娘よ。貴様の胸では主人を満足させることはできぬぞ?」

「な……っ?!」


 亜美はピキッと固まってしまう。    


「ふふふ。宮本さんでは叶わないようですね。ブラックドラゴンさん、あたしなら湊川くんを満足させられますよ?」


 委員長がブラックドラゴンに、胸を突き出す。


「……たしかに、大きさは良いようじゃが、形が残念じゃなあ」

「な、なんですって……っ! ううう……っ!」


 委員長が泣き出してしまい……


「あ、あたしは大きさも形もいいですぅで……」


 黒崎がやって来て、俺に胸を押しつける。


「ふふふ。小娘よ。我と一緒に楽しむか?」

「た、楽しみたい……み、湊川くんと、いきなり3——むぐぐぐっ!」


 亜美と委員長が、黒崎の口を塞いだ。


 ★


「とりあえず、この先は我に任せろ」


 いろいろあった(?)けど、ブラックドラゴンは俺たちの仲間になった。


 服は急遽、クラフトで作ってもらう。


「我の名は、コレットじゃ。よろしくな」

「おう。よろしくな。コレット」


 俺とコレットは握手する。


 一応、俺がテイムしたドラゴンなわけだし、


 強い奴が味方になるなら大歓迎だが。


 じーっ「「「…………」」」


 亜美、委員長、黒崎は白い目で見ている。


「おいおい。みんな。コレットは仲間なんだから……」

「「「ふーんだっ!」」」



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