詩集「絶世ノ指揮」(完)

不可世

第1話「頂上の冠」

そもそも僕は命と契約していないのに

この未完成な世界に生まれた

とっくに死ぬことも知っていて

だったらこの命の指揮を取る

頂上の存在は

何をしたいのだろう


死と生を与えられ

おまけに感情と言葉まで授けた

ああ、一体、なんの実験をしてるのだろうか

僕らはネズミであり

より屈強な生態系に囚われている


宇宙の外さえ知らない僕らが

100年も満たず死んでいく


それは頂上の存在に

大気という実験液の中に放たれているからだ

おそらく人を指揮する存在にとって

我々から良いデータを取れると見込まれている


かつては恐竜が実験対象だったが

今はそれは滅びた

だが我々はまだ頂上の存在に実験され続けているのだ

それまでは生きれるという事だ


さてお題目はこんな所だ

我々も頂上の存在となる下剋上を始めようではないか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る