第27話 休憩

「美羽さん……大丈夫ですか?」

「まだまだ……行けるよ」


 あの後、コボルトどもを殲滅していった私たちだったが、連戦の影響で体力が消耗していた。

 純ちゃんはまだまだいけそうに見えたが……私は……。


「はぁはぁ……ごめん……やっぱ……休憩……」


 私は体力が限界だった。

 その場で尻餅をつき、私は座りこんだ。


『ママお疲れ ¥3000』

『コーヒー代 ¥500』

『歳だからね…… ¥1000』


 コメント欄は投げ銭と共に私の年齢弄りで埋め尽くされた。

 いやいや、これ年齢関係なく辛いよ……。


『はしたない座り方しないの』

『おじさんみたいな座り方TSKR』

『なんかエッッッッッッッッ』

「あはは……ごめん……でもちょっと……楽な体制でいたいから……」


 今の私の座り方は修行中のお坊さんのような胡坐の体勢だった。

 いや、それはお坊さんに失礼だな。

 まぁとにかく、私は伸びをしつつ、楽な体制を取った。


「お疲れ様です、美羽さん」


 純ちゃんもその場に座り込んだ。

 純ちゃんは寄り添うように私に近づき……肩を掴んできた。


「じゅ、純ちゃん!?」


 突然の行動に、私は驚愕の声を上げてしまった。


『純様大胆!』

『てぇてぇ』

『キマシタワー建設ラッシュ』


 コメント欄が爆速で動いているのが分かるが、早すぎてなんて書いてあるかわからなかった。


「美羽さん、貴方は本当に凄いですよ、2回目なのにもうここまでできるなんて」

「いやいや……」

「僕、そんな強い美羽さんが……好きです」

「そ、そう……」


 何この子!? 天然タラシ!? 凄い距離が近いんだけど!?


『あああああああああ美羽さんそこ替わってえええええええ!!』

『部外者は引っ込んどれ……』

『百合に挟まろうとするやつがいるぞ! 捕らえろ!』

『生まれ変わったらダンジョンになりたい』

『ずっと見物していたい……¥2000』


 コメントは盛り上がっているが、当の私は緊張で何も喋れないでいた。

 な、なにか……話題を振らないと……。

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