第9話 日本最強アイドルと繋がり!?

 開設したばかりのSNSのDM欄に表示された数字。


『1』


 送り主は──霧ヶ峰リリ(公式認証マーク付き)。


(ええええええええ!? こ、これ……霧ヶ峰リリの本物のアカウントだよな……? うん、認証マーク付いてるし、投稿してるポイートも本物だ……)


 そんな霧ヶ峰リリ(本物)が何を?

 いやいや、あくまでアカウントが本人のものであって、DM送ってきたのが本人とは限らない。

 もしかしたらスタッフが「てめぇ! よくも今日はうちのリリに粉かけてくれやがって! 覚悟しとけよ、おんどりゃあ!」なんて言ってくる可能性も……。


(うわぁ……嫌な予感がするなぁ……)


 オレは薄目でそっとDM欄を開いた。


霧ヶ峰リリ『本物ですか?』


 拍子抜け。

 本物ですか? だって。


Jang Color『はい、本物です』


 端的に返事を返す。


霧ヶ峰リリ『そうですか。メンバー募集はいつから?』


 メンバー募集?

 あっ、Jang Colorのってことか?


Jang Color『しばらくはスカウト中心で探そうかなと。まだメンバーも一人だけなんで』


霧ヶ峰リリ『わかりました』


 わかりました?


Jang Color『あ、今日すみませんでした』


 怒られる前に謝っとこ。


霧ヶ峰リリ『はぁ』


 はぁ?

 え、怒られるんじゃないの?


霧ヶ峰リリ『あ、このDM消しといてください。見つかったら違約金払わされるんで。私も消しますのでよろしく』


 ハァ!?

 違約金!?


Jang Color『え、違約金っていくらくらいですか?』

霧ヶ峰リリ『さぁ、数千万円?』


 すすすす……数千万円んんん!?


霧ヶ峰リリ『では』

Jang Color『あ、はい』


 次々と消えていく霧ヶ峰リリからのメッセージ。

 オレもポチポチと自分のメッセージを消していく。


(やべぇ……やべぇよ……全国のアイドルファンすまん……)


 オレ……。


 霧ヶ峰リリと繋がっちゃったんですけど……?

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