Different Place

藤いろ

第1話・PROLOGUE

「好きです。」

と告白された。女子から。

女子の私に女子から。

普通の公立校、男女共学、とりわけ歴史もなく、事件も何もない、そんな学校でだ。

「ありがとうございます。」

それしか出なかった。

そりゃあ今まで彼氏なんて出来たことなかったし、ましてや彼女なんて。

こう言うことを言われるということは男子に近いんだな、私は。

別に運動部でもないし、ショートカットでもないし、身長も高くないけど。

あ、体形は男子に近いか、、、。

となるとこの子は体目当てか。またマニアックな趣味な方で。

私ならもっと女子らしい体形の子を選ぶ。

巨乳でスラッとしてて、、、もう一つ見つかった。考え方も男子だ。

ん、でもこの場合どっちが彼氏で彼女だ?

男らしい方が彼氏役をやるのか?じゃあ私か。

「あの、返事をいただいてよろしいですか?」

「あ!はい!?はい!」

うわ~!自分の世界に入りまくってた~!ってか付き合う前提で妄想全開してた~!!

、、、。

、、、断る妄想はしなかったな。

、、、ということは私嫌じゃないんだ。女子同士で付き合うこと。この子のこと。

「うん、、、はい。付き合うで良いんだよね?」

「はい。、、、、、、よっしゃぁぁぁぁ!!」

「!?」

ガッツポーズにジャンプ。いきなりギャップだなぁ。びっくり。

こうして私、八旗名嘉と姫井戸佳己は付き合うことになった。


私の高校の卒業式の日に。

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