第16話 月とりどり

三日月は

夜の女帝の

蒼い冠

またたく星の光を散りばめ

両手を伸ばして空へと捧げる


満月は

富を満たした

王者の杯

星の光をなみなみ注いだ

黄金こんじき色の豊穣の酒


半月は

顔を隠した

淑女の仮面

星より映えるその瞳を隠して

口元だけが妖しく微笑む


新月は

在るのに見えぬ

愛の象徴

散りばめられた星の輝く

夜のベールの向こうに探す

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