第149話 スポーツ少女は蒸れ蒸れです
「天気がいい日が続いて良かったですね」
「ホントだね、癒しの聖女様のおかげかな?」
「ライ様までそんな…恥ずかしいです…」
デルシアでの宴会のとき、リリィがそう呼ばれていたので、オレも呼んでみたが、恥ずかしいようだ。やめておいた方がいいかな。
「でも、ホント、ちょうどいい天候でよかった」
今は春なのか、秋なのかよくわからないが、ポカポカ陽気で快適な気温だった。旅を始めてから一度も雨は降ってなくて、そのおかげで気持ちよく歩けている。
「やっぱ旅っていいよねー!ねー!ピーちゃん!」
「ピー!」
ピーちゃんは旅がはじめてだからなのか楽しそうだ。
そういえば、ピーちゃんだが、双剣の中に入っているときと外に出ているときがまちまちで、明るいうちに外にいたときは夜になったら引っ込んで、日中いないなーと思ったら夜出てきてコハルの近くで寝てたりする。
気まぐれなのだろうか?
ただ、24時間ずっと外に出ていることはない。双剣の中で充電でもしてるような習性だった。AirPodsみたいなやつだなと思う。
まぁ元気ならなんでもいいんだけどね。
あと、相変わらず、ピーちゃんはスノーローズ鉱石しか食べないのが困りごとだ。1日ひとつあげれば満足するからストックはまだまだあるけど、いつか無くなるときのことは考えておかないといけない。
ティナ曰く、ピーちゃんは精霊みたいなものだから魔力をあたえてやれば生きていける、とのことだが、ピーちゃん本人がちゃんとご飯を食べたいようなので、それは最終手段にしようという結論になっている。
スノーローズ鉱石の代わりになる魔力たっぷりの食べ物を見つけないとなー。
そんなことを考えていると、ピーちゃんが隣のリリィの肩に飛んできた。
「ピー」
「あら、ピーちゃん、どうしたんですか?」
リリィがよちよちと指で撫ででやると、
「ピ〜」と気持ちよさそうな声を出す。甘え上手な可愛い毛玉様であった。
ピーちゃんが飛んできた方向、前を歩くコハルとステラを見る。2人は楽しそうに会話をしていた。
今晩は、あの2人か、楽しみだな。
♢
「それじゃ、おやすみ〜」
リリィとソフィア、ティナに手を振ってテントに入った。
「うふふ♪さぁどうしますか♡」
「なにがさ?」
やる気満々のステラとポカン顔のコハルがそこにはいた。
「2人ともおいで」
オレはゴロンと寝転んで2人を招く。
「はーい♪」
「う、うん…」
右腕にコハル、左腕にステラが寝転んでこちらを見ている。さすがにコハルも察したのだろう、顔は赤い。
「じゃあキスして」
「はい♡」
ステラからキスしてくれる。
それが終わると、
「じゃ、じゃあ…ボクも…」
コハルからもしてくれた。
「あのさ、2人にお願いがあるんだけど、いいかな?」
「なんですか?」
「なぁに?」
♢
「やぁ!」
「はぁ!」
早朝、オレとコハルとステラは剣の型を構えつつ素振りをしていた。
「うふふ♪それにしても、ライさんはいろんなことを思いつきますね♪ふっ!」
「はっ!そ、そうかな?」
「ボクはよくわからないよ……やぁ!」
2人との稽古は毎朝続けていたのだが、今日はいつもよりも早く起きて稽古をしている。
長い時間稽古をするためではない。この後の時間を確保するためだ。
「ふぅ……じゃあ、そろそろいいかな?」
1時間ほど剣を振っただろうか。みんないい具合に汗だくだ。
「私は大丈夫です♪」
「ボクは……わかんない…」
「まぁまぁ、そう言わずに」
オレは2人の肩を抱いてテントに押し込んだ。
リーン。
隣で3人が寝ているので音が漏れないようにする。
「ほ、ホントにこのままするの?シャワー浴びてからじゃなくて?」
「う、うん」
目の前にはさっきまで運動をしていた蒸れ蒸れの美少女が2人。
「ばっちいよ?」
「そんなことないよ、すごい色っぽい。実はさ、稽古してるときも、そういう目で見てたんだ」
「そういう目?」
「美少女が汗だくになってるなって、えっちな目で見てた」
「……へんたい…」
「きらいになった?」
「ううん…ならない。でも、ライはへんたいだ…」
「うん、そうだね、ごめん。コハルたちのことを見てるとそうなっちゃうんだ。じゃ、じゃあ脱がすから」
コハルに嫌われていないことを確認したら我慢ができなくなった。
「うふふ♪」
ステラの方から上半身のシャツを脱がす。練習着のため軽装だ。脱がすとムワッと熱気が溢れ出した。
顔を埋めてにおいを嗅ぐ。
「やぁーん、ライさんがクンクンしてます♡ 」
いい匂いがした。
「こ、コハルも…」
「うん…」
コハルの練習着のTシャツも脱がす。もわっとした。
こちらも顔を埋めてクンクンしてみる。
「な、なにこれ…恥ずかしいよ…」
「いい匂いだ…」
たまらずキスをする。
そして、コハルの首筋を舐めていく。汗の味がする。
「ステラもこっちきて」
「はい♡」
コハルの横にぴったりとくっつける。
ステラの首も舐めた。
「どうですか♪」
「美味しい…」
オレは朝からアブノーマルだな、と自覚していたが止まることはできなかった。
蒸れ蒸れ美少女丼。
贅沢な朝食だ。ご馳走様でした。
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