第147話 旅立ち

「昨日は楽しかったなぁー!」

 とニコニコで宿を出てデルシアの門の方に向かう。


「サイテー」


「ほんとそうじゃ、誰かあやつをどうにかしてくれんかのう?」


「そんなこと言って~♪最後の方はティナもノリノリだったじゃないですか?そろそろ似たもの夫婦だって認めたらどうですか?」

 クスクスとからかうステラ。


「そ、そんなことないのじゃ…」


「ライ様は、その、わたしたちを沢山愛してくれているだけです…」


「で、でも、ボク、恥ずかしいよ。えっと…前もみんなでしてたの?」


「そういう日もあったけど…いえ、そのあたりはステラに聞くといいわよ」


「え〜、ソフィアが自分で説明してくださ〜い。むっつりのくせに〜」


「はぁ!?なによそれ!あんたみたいな露骨なのもどうかと思うわ!」


「私は自分に素直なだけで〜す」


 話していたら、すぐにデルシアの正門に着いた。


「みんな、見送りの人たちがいるよ、挨拶しよっか」


 かしましい妻たちの会話を一旦止めて、門の前で立ち止まる。


 そこには、ルカロさんをはじめ、ギルドで特に仲良くしてくれたやつらが数名集まってくれていた。

 少し離れたところにゴルエムさんの姿もある。


「アニキ!アニキと再会したときにはオレもハーレム作ってるからな!」


「はぁ、サイテー…なんで私、こいつとパーティ組んだんだろ…」


 アホが開口一番アホな発言をしてきて、それをみた自分のパーティの女性陣に呆れられていた。


「ステラ!また飲もうじゃないか!」


「はい!そのときは是非!!」


 ゴリ女戦士とステラが固い握手を交わす。


「ボクたちもライさんやコハルさんのような剣士を目指します」


「あぁ、お互い頑張ろうな」


 真面目くんと固い握手を交わす。


「ルカロ、いままで本当にありがとう。ルカロがいなかったら、きっとボクはダメになってたよ…」


「ううん、コハルと一緒にいれて楽しかったわ…」


 2人は涙して抱き合っていた。


「じゃ、そろそろ行こうか」


 オレたちは巨大な砦のような正門から出て、荒野を歩き出した。


「またねー!ルカロー!みんなー!ゴルエムさーん!ありがとー!!」


 コハルは元気よくデルシアの町の人たちに手を振り続ける。


 オレたちも手を振りながら歩いていく。

 コハルは何度も何度も振り返っては、手を振っていた


 姿が見えなくなると、少し寂しそうにする。


「ピー?」


「あ、ううん、大丈夫だよ?ピーちゃん」


「コハル」


「なぁに?」


「絶対幸せにするから。一緒に来てくれたこと後悔させないから」


「うん!期待してるね!」

 ぎゅっと腕に抱きついてきた。


「よし!抱っこしてあげよう!」


「きゃっ!」


 オレはコハルをお姫様抱っこしたまま歩きだした。


 そしてキスをする。


「大好きだよ、コハル」


「うん、ボクも大好き、えへへ」


「ピー///」


 なんだか恥ずかしそうな鳴き声を出すピーちゃんを横目に、オレたちは新しい目的地に向かって歩き出した。




======================================

6章まで読んでいただきありがとうございます♪

剣の師匠とかわいらしいマスコットが仲間になって、

これからの冒険が楽しくなりそうですね♪

書籍化、アニメ化目指しています!

皆様!★とレビューで応援お願いしますm(__)m

                       真心糸

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る