第6話

「他に何買う」

あだしがそういうと

「異世界の超一等地」

幸兵衛が提案した。

「ああ、あの一坪三兆円の」

「そう、あそこを

とりあえず千坪ほど押さえよう」

「オマエの金じゃないのによく

そんなに偉そうに使えるね」

「いいの、いいの、アダシの資産は

オレの資産。オレの資産はオレの資産」

「ウン? よく聴こえなかった」

アダシが自分の耳に手を当てた。

「いいのいいの、それでだいぶん総資産を

さばけるはずだ」

幸兵衛がまるでアダシの総資産が

自分のものであるかのように言った。

「それで? 残りは?」

「オレがバクチで使う」

「当然?」

「当然」

「バカ化―――――――――――っ、てめええは」

アダシがちゃぶ台を豪快にひっくりかえした。

「どこにそんんなむしのいい話があるんだ」

「おちつけアダシ。冗談だあ、ジョーク」

「何だ、ジョークか。ああ、ビックリしたあ」


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