カレーライスのジンクス

ボクのパパはカレーライスが大好きなんだ。だから週に1回カレーの日があるんだ。そして次の日もそれを食べるんだ。これはボクが生まれる前からの決まりらしい。パパのママが働いていたから、少し手抜きも含めてそうしていたみたいだ。でも、習慣とは恐ろしいもので、今でもそれをしないとダメらしいよ。懐かしいのかな?


ところで、ボクの誕生予定日は今年の1月1日だったんだって。でもその2日前の12月30日に生まれたんだ。その時はお腹にいたボクはママの実家にいたんだけど、バビーは予定日が近づいて、あんまり遅くなってボクが出てこなくても大変だし…と、少しヤキモキしていたらしい。ピッタリの元日誕生でも、めでたくて良いんだけどって。そんな時に、ネットにカレーライスを食べると陣痛が来るという、話が出ていたらしいんだ。それまで、刺激物を避けて料理をしてくれていたバビーは「じゃあ、カレーにしてみようかしら」って、作ってくれてママは食べたんだよ。


そしたら、ジンクス通り? 2日後の真夜中に、破水が起きてママは産院に入院したんだって。それから34時間後にボクは無事大きな産声をあげて誕生したという訳なんだ。その時のことはボクも覚えているよ。


立ち会い出産のために呼び出されていたパパは、まだ生まれないということで、産院の近くにあるママの実家に泊まり込んで待機していたんだ。ハラハラしながらジーッとバビーとジジーとパパがリビングのソファに座って待っていたら、パパはママからのLINEで呼び出されて、急いでジジーの車で産院に駆けつけて、産室に滑り込んだ瞬間にボクが生まれたんだ。どうにかギリギリでの立ち会い出産が出来たってわけなんだ。その時、ボクはママとパパの顔に初対面したよ。嬉しかったよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る