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帰ってきたのは深夜を通り過ぎて明け方になりかけたころだった。睡眠不足がきつい。この状態でカブくんを運転するのは危険な気もするので、きょうは一日「いいお父さん」をやることにした。眠たいが我慢する。人生初の完徹だ。姉貴とあかりはぐうすか昼寝している。
朝6時半くらいに光は起きてきて、テレビをぼーっと眺めている。あんまりテレビばかり見せるのもよくない気がしたので、「絵本読むか?」と声をかけたら駆け寄ってきて膝に座った。
図書館から借りてきた、「ねこはるすばん」というお気に入りの絵本を読んでやる。いつも通り、猫が寿司屋に行くところで光はケラケラと笑った。
どこまで分かっているのかは分からないが、子供の読解力はバカにできないのだと思う。
朝にヨーグルトだのコーヒーだのを摂取して、俺はまた光に聞いてみた。
「なにか欲しいオモチャないか?」
「やきいも!」
それはオモチャでねぇオヤツだ。そう言ったもののあまり通じていないようである。光は目をぱちぱちしている。
そもそもあんまりオモチャを与えなかった俺たちが悪い気がしてきた。
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