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異世界版知育玩具はちょっと手が出ない。たしか現実世界の同じオモチャも結構値段がえぐかったはずだ。自作できるとも思えない。どうしたものだろう。
ああ、魔物が知育玩具をドロップしてくれたらいいのに。そう思ってため息をつく。ため息が完全に出きってから、ふと「オモチャをドロップするモンスター、いねがったっけか」というところに思い至る。
慌てて「異世界攻略本 秋田県北部版」を開く。いたいた、「悪魔のオモチャ箱」。ミミックの一種で倒すとオモチャをドロップするのだ。出るオモチャはさまざまで、お人形さんだったり乗り物のオモチャだったり武器の形のオモチャだったりする。
オモチャの対象年齢はモンスターのレベルが低いほど小さい子供向けになる。これならサクッと討伐してサクッとオモチャを手に入れてくることができるのではないだろうか。
わりかし弱いモンスターで、不自然にオモチャ箱が落ちているなあと思えばこいつだ。きみまち坂のあたりに出ると自分で記録してある。
あかりにその話をしてみると、
「かっこいい~。戦うお父さんでねっか。まあ現実世界でもクリスマスプレゼントは戦場であったものな……弁当作ればいいか?」
というわけで、俺は「悪魔のオモチャ箱」討伐に向かうことにしたのであった。
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