女神はスタイルも、良くて美人さん。ひざまくらをいただきました。

 ―ブラックアウトした。

 まるで、身体が限界をむかえて疲れ果てた時に

 お弁当を食べていたら、お弁当に頭突っ込み電源が落ちた電子機器みたいに寝落ちした時のようだ。


 ふと、まぶたを開けると真っ白い空間が俺の視界に広がる。

 さらに白いスモークがたち篭もる中をつかつかと足音が聞こえてきたあとに、人影がうっすらと見える。


 ―スタイルがめっちゃくちゃいい。

 うっすらとした影だけでスタイルが分かるほどに出るところは出て、引っ込んでいるところは引っ込んでいる。女の子の理想的なスタイル抜群というのはこのことではないかと俺は思う。


「異世界での生活はいかがでしょう?私の独断でセットさせていただきました。魔剣と美少女のセットは気に入っていただけましたか?」


「うーんどうだろうか?今のところ俺のハーレムには全く関係ないけれど魔剣の美少女とかいいかもな」


 だんだんとスモークが消え女神の姿が見えてくる。


 ああ、ここは女神の間だ。

 見たことあると思っていたんだ。


「少しだけお時間を頂きたいと思いまして魂を引き止めさせていただきました。このように、やえはやと様の魂を縛らせていただきました」


 女神の横に紐のようなモノがあらわれて天井から出てきたのは、紐で亀甲縛りされた魂だった。


「せめて、箱かなにかに閉じ込めてくれよ、それとそんな縛り方知ってるんだよ?」


「これはもっとも嬉しい縛り方では?」


「ちがいますー。そんなのは俺の好みではありませんー。」


 女神はうーんと考えるポーズを取り出す。

 考えているだけでも美しいってどういうことよ。



「お時間が迫ってきましたので簡潔に

 これは、内緒なんですけど、これから、はやと様には異世界で無双できるイベントをご用意しておりますのでお楽しみくださいね。それでは、良い異世界ライフを」


 魂は解放され、俺は異世界に意識が戻ろうとしている。


 ―おきて。


 ―おきなさい。


 ―おきろ。


 だんだんと口調が強くなってきていような気がする。

 意識はまだ目覚めない。


 というか早く目覚めたいのだけれど、

 なにか柔らかいモノに収まっているような感覚が心地よく身体が動かない。


 このままでいたい。



 ゴスっ。

 という音とともに俺の頭になにかが当たった。

 ふたたびゴスっと音が聞こえる。


 頭や身体が痛みだしてきたようだ。


 俺は、起きたいと強く願う。


 意識が俺の身体を揺さぶり、引き戻される。


 ハッと目を開けるとクラリエの顔がとても近かった。


「まさか!!……この状況は、ひざまくらだと……!!」






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