タイトルのない恋愛物語

木野拿 咏鳴

第1話

振られた。

彼とは職場の出会いだった。

4歳年下の彼は今まで来たどんな男の人よりも、優しくて、面白くて、可愛くて、何より安心できて。

初めてだった。


とは言っても付き合ってたのはほんの1ヶ月。

振られた理由は明確で、元カノとの間で何か揉め事があったみたい。


私は、いわゆる恋愛下手である。

そして、彼と別れたくなかったがどうすればいいか分からなかった。

ネットで調べたことは一通りやった。

別れないでとすがった方がいい。

その後であっさりすればいい。

冷却期間を置いたなら連絡すべし。


...。

彼の気持ちがわからない。

私自身彼とよりを戻したいわけじゃないみたいで。

職場同じでも部署は違うから全く会わないし。

仕事に支障はないから、ただ、前みたいに戻りたいの。職場の仲のいい上司と部下の関係に。


彼はどうなんだろう。

LINEが届く。

少し続いた!!嬉しいなぁ。

でも、付き合ってた時はすぐ来てたLINE。

今は1時間とか1日とか。

なんか、言い表せない切なさがあった。


そして、久々に送ったLINEは私の質問に答えるだけ。話が膨らまなかった。そして、彼から話を切った。

あーあー。彼って私にもう興味無いのかなぁ。

世の中、未練ない方が追いかけられると言いますが。なかなかそう割り切れんのよ。

まぁ連絡少しつづいただけいいっか。


私は。彼のLINEの、トークを消した。


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