雑魚ゴブリンしか召喚出来なくてパーティーを追放された俺、ダンジョンで召喚士を召喚出来る様になったので最強の冒険者として気ままに生きる〜召喚した召喚士は新たな召喚士と神話級モンスターを召喚出来る様です〜
鬼来 菊
第一章:召喚士とダンジョン脱出
突如告げられた追放宣言
「ルイド、お前にはこの
「……えっ?」
旅の途中で立ち寄った街の酒場にて、突如パーティーのリーダーであるヴァルトからそう告げられた。
「召喚士は珍しい職業だから置いておいたが……流石にお前は弱すぎる」
「そうねー、召喚するのがいつも雑魚モンスターのゴブリンじゃねぇー」
魔法使いのユミルも、ヴァルトに同意する。
「ちょっ、ちょっと待てよ……俺結構色々援護して来たと思うんだけど?」
「おいおい何言ってんだおめぇ? むしろ俺らがお前をキャリーしてただろ」
戦士のギリダスが足を机に乗っけながらそう言って来た。
「ギリダスの言う通りよ! というか! あのゴブリン共が邪魔な時もあったしー!」
「あっ、あれは君が無茶してモンスターと危険な距離になりかけたから――!」
「はぁー? 言いがかりはやめてよルイド!」
ユミルが背もたれに勢いよく寄りかかる。
「ルイド、ユミルはちゃんと攻撃魔法と回復魔法をしてくれている。そしてギリダスは俺が仕留めきれなかったモンスターを倒したりしてくれるなどのカバーをしてくれている。だがお前は俺らの邪魔をするゴブリンを召喚するだけ。出て行って貰おうと思うのは当然だろう?」
「っ……この話……マジなやつなのか……? ドッキリとかじゃなくて……」
「大マジだ」
「さっさと出ていきなさいよ」
「シッシッ」
「そんなっ……!」
ショックで力が抜けて膝に手をつくと、視界が歪んで涙が手の甲へ零れ落ちた。
「うわ、コイツ泣いちゃったよ」
「えー、私らが悪者みたいじゃーん」
「チッ、周りが変な誤解するだろ。早く行け」
涙を拭き、無言で席を立って酒場の扉を開ける。
「やぁーっとお荷物がいなくなった」
「これからは、また新たな仲間でも探しながら旅をするとしよう」
「さんせぇーい!」
酒場から三人の楽しそうな声が聞こえて来た。
人を追放したばかりなのに……何でそうテンションを変えられるんだ……!
ふつふつと心の中で怒りが込み上げてくる。
「すぅー、はぁー」
深呼吸して、俺はその怒りを鎮めた。
「取り敢えず、これからどうするか考えよう」
『名前:ルイド・アッカーサー
職業:召喚士
冒険者ランク:D
所属パーティー:
HP:100/100
MP:150/150
スキル:【召喚(ゴブリン)】消費MP:10』
パーティーから追放されたから、まずは冒険者ギルドに行って、冒険者カードの所属パーティーの部分を無所属にしないと……。
「……ううっ」
皆んな、旅の道中あんなに優しかったのに……。
また悲しさが込み上げて来たが、涙を堪えて冒険者ギルドへと向かった。
「あの」
「はい、何でございましょうか?」
受付嬢さんが上目遣いでそう質問してくる。
「冒険者カードの変更をお願いします」
「かしこまりました。どの部分を変更なさいますか?」
「その……所属パーティーの部分を……む、無所属に……」
「……かしこまりました」
所属パーティーの部分を無所属にすると言うことは、クビにされたという事だとこの受付嬢さんも分かっているのだろう。物凄く気まずい空気が流れる。
「冒険者カードを頂いてもよろしいでしょうか?」
「あっ、はい!」
冒険者カードを渡すと、受付嬢さんが少し驚いた表情をした。
多分、所属パーティーの部分を見たのだ。
俺が所属していたパーティーである〝永劫の剣〟は、最近冒険者
勇者に近い力を持つと
もう有名になる事間違いなしのこのラインナップの中に、俺がつい先程までいたのは奇跡としか言いようが無い。
まあ、何であのパーティーに入れたのかはさっきヴァルトに直接言われたのだけれど。
取り敢えず、そんなパーティーから追放されてきた人を見るのは珍しかったのだろう。
受付嬢さんはカードを見ながら奥に行って、数分後ちゃんと所属パーティーの部分が無所属になった冒険者カードが帰ってきた。
「ありがとうございました」
「またのお越しを、お待ちしております」
受付嬢さんに対してお辞儀をし、冒険者ギルドの外に出る。
もう一度冒険者カード取り出し、無所属の部分をマジマジと見る。
「……ふぅー」
次は、どうお金を稼ぐかだな……。お金が無いと、生きていくことすら出来ないし。
「ダンジョン……にでも行くか」
ダンジョンとは、この世界にある謎の構造物だ。
中には危険なモンスターが沢山いたり、物凄く危険なトラップがあったりするが、貴重な鉱石が採れたりなどかなりの需要がある場所だ。
「ここから近いダンジョンは……確か東の方のダンジョンか……」
まずはそこに行って今後の生活費を稼ぐとしよう。
そして俺は、東のダンジョンへと向かうのだった。
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