第29話 番外編 白火のお風呂大作戦!!

 ある日の平日──さくらの自室にて。


「白火!!いい加減お風呂入ってよ!」

「オレは濡れるのが嫌いなんだよ!!ぜってーやだ!」


 白火がさくらの家に住んで、何日も経つが、なかなか風呂に入ろうとしない。


「居候なんだから、入りなさいよ!今日はお父さんもお母さんも仕事で帰りが遅くなるし…今日しかないじゃない!」

「やだって言ったら入らなねぇーよ!!居候ってなんだよ?」

「他人の家に住んでお世話してもらってる人よ!この前、影里くんに教えてもらった」

「信也の奴…!オレはなあ、さくらを夜行から守るために一緒に暮らしてるんだぜ!そんな言い方ねぇーだろが!」 

「だったらお風呂入って!!不潔!」

「てめーなあ!!」


 いつもの調子でぎゃいぎゃい喧嘩しながらも、さくらは案を出すことにした。


「…私も一緒にお風呂入るから…」

「お前の色気がねえまな板に興味はねぇよ」

「誰がまな板よ!!最低!!…そうじゃなくて、白火が子狐姿になって、私が身体洗ってあげること!!ちゃんと服着たままだから!」

「なんだそういうことか…そんでもオレは入らないぜ。だいたい水で洗うなんて嫌だしよ」

「そんなことしないよ。ちゃんとお湯で洗うから」


 それでも白火はなかなか引かない。さくらもだんだんとイライラしてくる。


「もう!わがままばっかり!!お風呂入ったら私のお菓子あげるから。お願い!」

「そんなんで釣られるオレじゃねぇーよ」


(もう!どうしたら、白火は言うこと聞いてくれるの!?)


 何度も考えるが、思い浮かばない。


「そんなにオレに入ってほしいのか?」

「…そうだよ。綺麗な方がいいじゃない」

「…仕方ねぇな。入ってやるよ。ただ、早く済ませてくれよ」

「うん!おっけー!」


 2人はさっそくお風呂場に移動する。


「よーし!さっそく始めるよ!」

「…おうよ」


 さくらは乗り気で、白火は嫌な顔をしていた。

 さっそく、私服のピンクの長袖と白い長ズボンを袖まくりをして、白火は子狐姿に化ける。

 さくらが白火を抱き抱えて、風呂場のドアを開ける。


「じゃあ、身体を洗うよ!」

「お湯なんだろうな?」

「そうよ」


 お湯で身体を洗い、ボディソープで身体を洗い始める。


「気持ちいいな」

「ふふっそうでしょ?これ、いい匂いするから気に入ってるんだ~!」

「へぇ、そうかよ」


丁寧に洗い、お湯で洗い流す。終わった後、白火はぶるぶると身体を振り、水を飛ばす。


「もう!かかるじゃない!」

「いつまでも濡れた状態じゃ嫌なんだよ」

「文句言わない!次は頭を洗うから」

「へいへい」


 嫌々ながら返事をして、白火は目を瞑る。


 シャンプーを先にして、洗い流し、トリートメントをする。


「なんか、頭がいい匂いがする」


 目を細めながら、気持ち良さそうにする。


「これね、お母さんに買ってもらったんだ!良かった!」


 さくらも嬉しくなり、トリートメントを洗い流してあげる。


「これで終わったよ!」


白火の身体洗い終えて、満足そうにする。


「…ありがとうな、さくら。風呂も悪くねぇな」

「そう言ってくれて良かった!また、してあげるね」

「おうよ、楽しみにしてるぜ」


 2人は風呂場から出て、白火の身体をバスタオルで拭き、ドライヤーで乾かす。


「なんか、身体が温かいな」

「そうでしょ!気持ち良かった?」

「まあな…音は大きいけどな」


 白火のふかふかな身体を撫でながら、2人は洗面所から出ていったのであった。



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