推しを眺めていたら推しが近づいてきた【BL】
かしあ
昴said1.
人間誰しも推しの1人や2人はいると思う。
僕、高城昴(タカギスバル)にも大好きな推しがいる。その人は僕と同じ心理学部で同期の人。
「宇都宮君~今日暇?」
「うーん、特に用事はないけど、どうして?」
「この前カラオケ行けなかったから今日どうかなと思って」
「いいね、それなら稔達も誘ってもいいかな?大人数の方が盛り上がりそうだし」
「う、うんそうだね。私も波華達誘ってみるね。じゃあまた後でね」
「また後で」
女の子に丁寧に対応して爽やかに別れを告げる彼、宇都宮春兎(ウツミヤハルト)君は今僕が推している人物だ。
先程の会話から分かるように彼は女の子からとてつもなくモテる。誰にでも優しくて平等に接してくれる彼は爽やか王子と呼ばれている。
彼がそう呼ばれる理由は性格だけでなく彼の見た目にもあった。
緩くパーマがかかった黒髪にパッチリとした瞳は少しタレ目。鼻が高く、唇は薄い。
身長は高くて足も長いモデル体型な彼は誰がどう見ても爽やか王子と頷けるだろう。
アイドルオタクの僕は彼を見かけた際、見た目が好みすぎて一瞬で彼の虜になった。
そしてその日から僕は陰ながら彼を眺める日々を送っている。
ふむふむ、宇都宮君は今日講義後女の子達とカラオケに行くのか。いいなぁー宇都宮君の歌声聴いてみたいなー。
まぁでも宇都宮君の歌声聞いたら僕感動しすぎて倒れちゃいそうだけどね。まず宇都宮君と話すだけでも嬉しすぎて失神する自信あるや。
「春兎ー早くしないと次の講義始まるぞ」
「あ、うんわかってるよ、今行くから」
友達に呼ばれた宇都宮は昴がいる場所を一瞬だけ見つめると友達の元へと歩いていった。
宇都宮がこちらを見ていたことなんて壁に隠れていた昴は知らず朝から宇都宮の姿を見れた事に喜んでいた。
あ、そういえば次の講義宇都宮君と同じだ。早くしないといい席とられちゃう!!
彼の席の近くはいつも彼の取り巻きでいっぱいなのだ。
昴は周りに宇都宮がいないことを確認して教室へと急いで走った。
「ここまとめてレポート提出しとけよー」
運良く宇都宮の後ろ数メートル右の席に座れた昴は講義そっちのけで宇都宮の横顔を眺めていた。
はぁ…今日も今日とて宇都宮君はカッコイイ…。宇都宮君のまわりはキラキラのオーラで包まれているように僕には見える。
幸せな時間だ、この講義がずっと続けば宇都宮君見放題なのにな…。
あ、宇都宮君女の子にまた話しかけられてる。あの子最近よく一緒にいる子だけど彼女なのかな?
デートの予定でも立ててるのか講義中にも関わらずお互い楽しそうに笑い合っている2人。
「っ……(推しが、推しの笑顔が尊い!!)」
笑顔爽やかすぎ!!今日この席に座れて本当によかった!!
神様、幸せな時間をありがとう!!
講義が終わるまで昴は推しの笑顔を拝むのだった。
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