蒼の霊戦術記

詩月 彩

序章 俺の名は…

 俺の名前は深第蒼斗しんだいあおと。高校1年生。どこにでもいるような普通の高校生…とか言いたいけど、実のところそうではない…。一般的な高校生と比べると、青春とかけ離れた高校生活、人生を送っているのは確かである。

 俺には誰にも話していない秘密を2つ抱えている。いや、厳密にいえば、2つではないかもしれない。でも、今俺を苦しめている主な原因、秘密は、この2つ。

 1つは、1年前に交通事故に遭い未だに目を覚まさない母親の入院費、そして母親が見ず知らずの家に抱えていた借金、俺はそのせいで闇金に追われていることだ。俺は生きていくための資金、借金の返済に明け暮れる毎日を送っている。高校で勉強している余裕がないほどに、俺は追い詰められている。このことだけでも、俺が抱えている事情は途轍もなく複雑で深刻だと思う。だけど、あともう1つあるのだ。俺の日常を脅かす問題が…。


 もう1つはまた後に話すことにする。そのもう一つの秘密が俺を新たな道へと導くことになるとは、この時は思わなかった。でも、この選択をしたことに、俺は後悔はしない。どんな結果になろうとも…



 

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