第4話 解決編

 最初に死んだのは彩葉海子って主婦で桜の花札を残していた。顔面に粘着テープを何重にも巻きつけたり、金槌で数十回にわたり頭部を殴打するなどして殺害され、奥多摩の山中に遺棄された。

 2人目は小田原勝蔵ってスモールエンジンという自動車会社の社長だ。海子同様の方法で殺され、東京湾に遺棄された。

 桜の花は3月を意味していた。3月は旧暦で弥生だから、真犯人は赤霧弥生って下請け会社の社長だった。小田原の命令で車検情報の開示強要とそれに続く車検発注の強要、単価の一律1/3への値下げを強要され、 同下請け会社はそれらを全て断ったところ、殆どの取引を打ち切られたとの証言が報道された。


 公正取引委員会は、前述の行為以外にも店舗清掃や店舗周辺の草むしりを強要した疑いがあるとして、下請法違反容疑で調査を行っていると報じられた。スモールエンジンは下請法上の親事業者に該当し、役務提供委託の下請け会社(資本金5千万円以下)に対して、自社が指定するサービスの利用強制や買いたたき行為などが禁止されている。


 海子は弥生と不倫していたが、弥生が別れを切り出したら『奥さんに言ってやる』と脅してきた。


 弥生は優子に逮捕された。

 

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