短編小説集 星降る夜の約束
謎の少女
星降る夜の約束
ある晩、小さな町の少年、ユウキは星降る夜に友達のミカと公園で出会った。二人はいつものように笑顔で話し合っていた。
「ねえ、ミカ。君、星座を知ってる?」
ユウキが指さす先には、きらめく星々が広がっていた。ミカは微笑みながら頷いた。
「もちろんだよ。でも、どれが君のお気に入りなの?」
ユウキは考え込んでから、遠くの空に輝く小さな星を指さした。
「あの星。これから毎晩、この星を見上げていると、僕たちの願いがかなうって祖父が言ってたんだ。」
ミカは目を輝かせながら聞いた。
「ほんとうに?それなら、今夜から毎晩、一緒に見上げようよ。そして、どんな願いでもかなうといいね。」
二人はその晩から毎晩、星座を見上げることにした。彼らは願い事を口にしながら、友情を育んでいった。
ある晩、ユウキは大事な秘密をミカに打ち明けた。
「実は、僕、転校生なんだ。でも、ここに来てから本当に幸せだよ。」
ミカは優しく微笑んで言った。
「それなら、新しい友達ができてよかったね。そして、私たちの願いもきっとかなうよ。」
しかし、ある日、ユウキは告げられない理由で町を離れなければならなくなった。ミカとの別れが迫っていた。
最後の夜、二人は星を見上げながら涙を流した。ミカは言った。
「私たちの願い、きっと届くよ。どんなに遠く離れていても、この星を見上げれば、私たちはいつでも繋がっているんだから。」
ユウキは頷いた。翌朝、彼は新しい未来に向かって町を去った。
それから数年後、ミカは夜空を見上げながらユウキを思い出した。彼女は笑顔でつぶやいた。
「ありがとう、あの星。ユウキが幸せでいるように、願い続けるから。」
星を見上げた晩の約束はいつまでも、いつまでも続いた。
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