第6話

目的は決まった!女性をまだ見てない事は一先ず置いといて、この場をどうにかしなければ。

大の大人三人が土下座中。アレアレ人も集まってきたよ~。・・・ヤバい!

「と、とりあえず頭上げてください!えっと~あ!落ち着ける場所行きましょ!ね!」

「落ち着ける場所・・・・・ホテルですか?」

バイコさん頭湧いてんのか?

「ホテルしかねぇよな、落ち着ける場所って言ったら」

「彼は何と?え?落ち着ける場所はホテル?それには完全に同意ですね」

ダメだ三人共湧いてやがる・・・・・。

「違っ!そうじゃなくてですね!」

「他に・・・ん~」

「何も思いつかねぇ」

本気で頭を悩ますバイコさんと賞金稼ぎ。

「じゃあ僕の行きつけのカフェに行きましょう。そこは個室もあります、彼もそこなら大丈夫でしょう」

店員さんが言ってくれた。バイコさんことまで気遣ってくれてる、優しい!

店員さんの案内で行きつけというカフェに向かう。門から真っ直ぐに伸びていた大通りを避け、小道に入る。とそこは入り組んだ迷路のような道になっていて、建物もランダムに繋がっていたりしていて日の当たらない所もあったりで一人で居たらもう戻れないだろう。

そんな道を店員さんはドンドン進んで行く。

「おい、バイコ」

「何だ、賞金稼ぎ」

「お前ここ通った事あるか?」

「ない」

「だろうな、マジならこの先はお前みたいのが居たら即死刑もんだぜ」

不穏な会話が聞こえた・・・・・。え、じゃあヤバくね?大丈夫なのか?店員さんは能力で俺に惚れてるハズだけど、その証拠はない。店員さんが演技してる可能性だってある。バイコさんは賞金首だし、前の世界でも追われてる犯人見つけたら即通報だ。

この先は本当にカフェなのか・・・・・・?

「こ、この先には何があるか知ってるんですか?」

小声で賞金稼ぎ・・・さんに聞いてみる。

「普通の奴は行かねぇし行けねぇ場所」

賞金稼ぎさんはそれだけ言った。

「マスターの事は俺が守ります!」

不安は募るばかりだ。不安に駆られながら店員さんの後ろをついていく。

そして目的地に着いた。

そこにはちゃんとカフェがあった。

が、普通のカフェではなかった。

全方位を壁に囲まれ薄暗いこれまでの迷路のような道と違い、その空間だけ光が当たっている。カフェらしき建物は白い高級そうな石壁で作られ高級ホテルを思わせる5階建ての建物。

建物中央にある入り口から入ると中はもうホテルだ合ってカフェではない。この世界はホテルをカフェと呼ぶのか?

店員さんはカフェの人にひと声かけ、俺達を再び案内する。

ラウンジを通り、滑らかな石造りの階段を上がり3階にある一室に案内される。

その部屋も高級ホテルでした。

広々したリビングに大きな白いソファがあり、その先のベランダらしき空間からは街が一望出来た。

で、カフェはどこだい?

「長々と歩かせてしまいすみません。天使」

ソファに座りながら店員さんが言う。・・・・その天使ての止めてくれないかな。

「オイここ・・・・・王族ご用達のカフェだろ。噂でしか知らなかったが、本当にあるとはなぁ」

「流石賞金稼ぎ。色々知ってますね」

「お前ただの店員じゃないだろ、さっき俺を投げた技も知らねぇもんっだった」

「アレは友人に習ったもので、ここも会員は友人で。僕はそのお零れで使わせてもらってるだけです」

「王族にお友達がいるってか!そんなの王族だけだろ!」

「別にあなたに全て話す必要はないでしょう。ここにだって僕の天使が皆でと望んだから連れて来ただけです」

「そりゃそうだ、俺が来たのだって俺の!大切な人が危ないめに遭わないように守る為だ!」

「あなたのじゃない・・・・」

「お前のでもないだろう・・・・」

急な俺の奪い合い!!うわ~ムズムズ変な気分!バイコさんは・・・・・あ~グランド語だから全然分かってない!高級な所に突然来てちょっとオロオロして部屋の中ゲームのキャラみたいに歩き始めてるー!

「あの・・・・ホントどういう事ですか、ここの事とか・・・・店員さ

ん」

「そんな店員さんだなんて・・・・アレまだ名前言ってなかったですか?」

「はい・・・」

ちなみに賞金稼ぎさんの名前も覚えてない。色々衝撃的な事があったから。

「僕はアラー・アッディーン。アラジンと呼んでください」

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