第24話
ほとんどの屋台はもう周ったので、次に俺たちは広場にやってきた。
「すごい…とんでもない人集りね」
横で花蓮が驚きの声を漏らす。
広場では、たくさんの人たちが太鼓の音に合わせ踊っていた。普通に踊っていたりなんかすごい踊りをしてたり、とにかく色々ある。
が、そんな中には変な人もいたりする。
酔っ払いやわざわざここで動画撮るか?なんて言われそうな人たちもいる。
「見てください2人とも、あれ」
結衣が何やら面白そうなものを見つけたような声で教える。
「うわぁ…ここで動画撮るとか、他の人が迷惑になってるなんて思ってないのかしら」
うわほんとにいたよ。じゃなくて…
花蓮の言う通りだ。あの集団は人がたくさん通る所だと言うのに気にせず撮影を続けている。
「ああいうのは気にしたら負けだ。こっちから近付かなければいい」
「でも」
「無理に突っかかるのはよせ。絶対面倒事になるからな」
「…分かった」
今にも飛び出しそうな花蓮を抑える。
「心配するな、数秒経てば面白いことになってるから」
「…え?」
これから何が起こりそうなのか花蓮に教える。
「ほら見ろ、あそこの大人たち」
「…す、すごい形相ね」
俺が指差す方向には先ほどの花蓮と同様に今にも飛び出しそうな人が大勢いる。
「多分もう少ししたら堪忍袋の緒が切れると思うんだ。そうなるとどんなことが起きると思う?」
「…あ!」
「そうだ、もうすぐ来るぞ」
俺の言った通り、大人たちがその撮影者たちの方に向かって歩いて行った。そして、
「あのすいません!どいて貰えませんか!」
「非常に邪魔になっているんで場所を変えてもらえるとありがたいんですけど!」
「は、はぁ?なんですかいきなり…」
おそらくリーダーと思われる人がめんどくさそうに聞く。
「あんたらこんな人がたくさん通るようなとこで動画撮るとかどういう考えしてんだ!」
年長の人が声を荒げながら問い詰める。
「べ、別にどこで撮ったって勝手でしょ!?」
「頭沸いてんのか!皆に迷惑掛けといてなんだその発言は!」
リーダーがその圧に押されたじろぐ。足もとを見てみると、めちゃくちゃ震えていた。
「見ろ花蓮、あいつの足」
「今まで見たことないくらいに震えているわね」
「これじゃ彼女らがあそこを退くのも時間の問題だな」
気の強そうな人だったがやはりまだ子供。大人からあんなに大きな声で怒られればビビるのも仕方がないだろう。
「さぁ、行くぞ。もうすぐ花火が始まる」
「花火!楽しみね」
「もう、花蓮さんたら子供みたい!」
「う、うるさいわね!あんまり見る機会ないのよ!」
「はっはっはっはっ」
「笑うなぁ!」
お知らせします。
コロナウイルスに感染してしまったので、少々投稿ペース落ちるかもしれませんが、ご容赦ください…
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