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    おつきさま(おかあさま)の光が世界で一番だと信じている月の子、ちょっと信仰にも似た愛を感じました。
    光を集めることが自分の使命であり、周囲が協力してくれることを当然と感じているようにも見えて、ちょっと心配しつつ読み進めました。

    水たまりがまるで卑下するようにお月様の光を「ちっぽけな水たまりにはふさわしくない」と言う場面。
    水たまりに対して月の子は「りっぱな気持ちになるのはしかたがない」と慰めますが、月の子自身も光を集めることでりっぱな気持ちになってしまっているのではないかと思いました。

    だから「おつきさまがなくても、川はりっぱでうつくしい」と川に言われた時の苛立ちは自分まで否定されてしまったような気持ちになったのかもしれませんね。川に石を蹴り飛ばしてしまった子供ぽい行為からも、月の子の幼さを感じました。

    綺麗なものを見て、胸が苦しくなって涙が出てしまう……そういう女の子の切なさを理解することが難しい部分からも月の子の幼さを現しているように思います。

    そんな月の子にとって「おかあさまよりきれいなもの」との出会いは衝撃的だったんじゃないかな。
    でも女の子が涙を流したのはたった一度きり……。
    ずっと一番だと信じていた「おかあさま」よりも美しいものを見つけたのに、手を伸ばして、伸ばし続けても手に入らない……最後には女の子の涙を思いながら月の光を集めている姿はちょっぴり切なかったです。

    女の子についても、色々と想像が膨らみますね。
    古い旅館にいて、大人のように化粧をしている。けばけばしい着物を着ていて、この世のすべてをうらむような声で歌う……。
    女の子の言う「はじめてのおしごと」とはいったいどんなものだったのか(´・ω・)
    もしかしたらこのお仕事で彼女は大人になってしまったのかも知れない、純粋な子供の時に流した最後の涙だったからとても美しかったのかもしれない……だからもう大人になってしまった彼女は月を見て涙を流すことはないのではないか、なんて。
    色々と想像してしまいました。