【高校三年生】
時は、1963年4月11日の午前9時前であった。
ところ変わって、
迷彩服姿の私は、新入生たちと一緒に列に並んでいた。
この日、深刻な事件が発生した。
場の雰囲気がどす黒く淀んでいた。
オニ教官は、ものすごい血相で怒り狂っていた。
「昨夜!!新兵のひとりが本校から脱走したあと行方不明になった!!…脱走した原因は分からないが…あの
なんや!!
中学の時に女子とイチャイチャしていたクソ
もういっぺん言うてみろ!!
私は、怒りが噴出しそうになったが必死になってこらえた。
この時であった。
「キサマ!!」
(ガツーン!!)
この時、オニ教官は私がいるところから左に3人目の新兵の顔をグーで殴りつけた。
殴られた新兵は、ものすごくつれない表情を浮かべていた。
オニ教官は、殴りつけた新兵に対して怒鳴りつけた。
「キサマ!!」
「はい!!」
「キサマはなんでここへ来た!?親もとから離れて自立するために来たと言うのはウソか!?」
「ウソはついてません!!」
「だまれ!!オドレなんや!?オドレは中学の時に女子とイチャイチャしていたのか!?」
「してません!!」
「ほんとうにしてないのだな!!それじゃあなんでやる気のないツラをしていたのだ!?ここへ来た以上は自分みがきをしろ!!自分をみがいてみがいてみがいてみがいてみがいてみがいてみがいてみがいてみがいてみがいてみがいてみがいてみがいてみがいて…ピカピカになるまでひたすらみがけ!!…ったくどいつもこいつも甘えやがって…もういい!!今から、教練場50周走るぞ!!」
「はい!!」
このあと、いつもとおりに訓練が始まった。
私は、他の新兵さんたちと一緒に教練場50周走るなど…どぎつい訓練を受けた。
時は、夜7時頃であった。
ところ変わって、食堂にて…
1日の訓練を終えた私は、出された食事を静かに食べていた。
食堂に置かれているテレビの画面に歌番組が映っていた。
この時、舟木一夫さんが『高校三年生』を歌っていた。
その後は、西郷輝彦さんの歌で『君だけに』〜三田明さんの歌で『美しい十代』とつづいた。
テレビの前に他の新兵さんたち10人が集まっていた。
テレビを見ていた10人の新兵さんたちは、口々に不満をぶち曲げた。
「オレ、来たところを間違えたみたいだ…」
「ああ、オレも間違えたよ。」
「オレも…」
「オレもだよ!!」
「やっぱり…フツーのコーコーに行きたかった!!」
「ああ!!オレもだよ!!」
「スイセン入試で受かった
「その
「そうだよ…
「そうだよな…毎日毎日…かわいこちゃんと一緒にたのしい時間がどれだけ幸せか?」
「ああ、そうだよ。」
「オレ、だまされたかもしれない…」
「だまされたって、どう言うことだよ?」
「ここで高卒の資格が取れると聞いたから来たけど…やっぱりウソだよ…」
「ああ、ウソだな!!」
「オレもそう思う!!」
晩ごはんを食べていた私は、テレビの前に集まっている連中に対してするどい目つきでにらみつけながらつぶやいた。
オドレら!!
グダグダグダグダグダグダグダグダグダグダ…と不満ばかり言うんじゃねえよ!!
文句があるのだったら、自分みがきをしてから言え!!
授業料・家賃・食費タダで、お金もらっている人間が不平不満を言うな!!
あのヤロー!!
ふざけんじゃねえよ!!
私は、10人の新兵たちをさげすんだ表情でにらみつけたあと食堂から出た。
それから数時間後のことであった。
10人の新兵たちが校内の敷地から脱走した。
私はその時、宿舎のベットでふて寝していた。
あいつらは…
間もなく地獄に
自由と権利ばかりを主張しまくったあいつらは…
より高い
翌朝、宿舎から脱走した10人の新兵たちは国電横須賀線の線路脇の道路でケーサツにしょっぴかれた。
彼らは、ケーサツにしょっぴかれたと同時に
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