第2話・傷だらけのローラ

【ショボクレ人生】

時はうんと流れて…


1994年7月27日頃であった。


この時、私・イワマツは大阪にいた。


私・イワマツは、1982年1月末頃に再渡米した。


それまでの経歴は、次の通りである。


1982年9月にアメリカ合衆国の国防総合大学の少佐以上を目指す学生さん向けの大学・大学院に進学した。


その前に、12年契約でアメリカ軍の職業軍人になった。


(私が再進学したところは、職業軍人さん向けの大学・大学院である)


並行して、1986年2月から1989年12月までオーストラリアの国防大学に在籍した。


また並行して、アメリカ合衆国内にある複数の理系・工科系の大学の大学院に在籍した。


……………


以上の大学・大学院を超優秀な成績で卒業した。


その間に、仕事に必要な資格・9999兆9999億9999万9998種類と修士博士号あわせて9999兆9999億9999万9999号とアメリカ三軍の大将までの位を取得した。


94年5月に気象予報士の試験に合格した。


最後に取得する予定の資格は、アメリカ合衆国の医師免許である。


職業軍人を退役した日までの間もイワマツを作るプロジェクトを始めるための準備を続けた。


職業軍人を退役した翌日からイワマツを作るプロジェクトを始めるための準備に取り組んでいた。


ところが、7月24日頃にまた大番頭おおばんとはんたちと連絡が取れなくなったので、また放り出された。


これは一体どう言うことだ…


大番頭おおばんとはんたちは、一体どこに行ったのだ…


仕事に必要な資格・9999兆9999億9999万9998種類と修士博士号あわせて9999兆9999億9999万9999号とアメリカ三軍の大将までの位の証書・腕章とイワマツの財産一式は大番頭おおばんとはんたち連帯後見人3000万人たちの預かりになっている…


あれがないと仕事ができない…


あれがないと…


生きていくことができない…


大変だ…


一刻も早く大番頭おおばんとはんたちを見つけなきゃ…


私の気持ちは、ひどくあせっていた。


前回の放浪の時は、カラオケ流しでおひねりを稼ぎながら大番頭おおばんとはんたちを探す旅をしていた。


その時に総額20億9800万円を稼いだ。


再渡米するまでの間に1200万円を使った。


残りの金額のうち、20億円は大番頭おおばんとはんたち連帯後見人3000万人のもとに送金した。


残り7700万円は、アメリカ滞在中に生活費と資格を取得する試験の受験料(受験料が必要な試験があった関係で使った)…に充てた。


7月27日現在、残っている金額は4200万円くらいであった。


大金はあるけど、それがいつまでもつか…


それが一番心配である。


残された時間は限られている…


なんとかしなきゃ…


2度目の放浪は、より過酷な旅になるかもしれない…


私の不安は、一気に拡大した。


時は、7月27日の夜9時前であった。


場所は、なんば花月(劇場)のすぐ近くにあるラーメン屋にて…


私は、ぎょうざダブルと白ごはんで遅い夕食を摂っていた。


店に置かれている20インチのナショナルα2000(カラーテレビ)の画面に朝日放送テレビが映っていた。


この時間は、甲子園球場で開催されているプロ野球・阪神ー巨人戦のナイター中継が放送されていた。


テレビの前に、阪神タイガースファンのおっちゃんたち15人が集まっていた。


阪神タイガースのハッピを着ているおっちゃんたちは、ビール片手に試合観戦をしていた。


テレビの画面に、阪神トラ貴公子プリンス・新庄剛志選手(今は北海道日本ハムファイターズの監督)が映っていた。


9回の裏、1ー1の同点…


新庄選手は、この回の先頭打者で登場した。


巨人の投手は、石毛博史イシゲであった。


おっちゃんたちは、投手が石毛に変わったので大はしゃぎしていた。


「きょうもラクショーだな〜」

「ホンマにホンマや。」

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ〜」


石毛投手が初球を投げた。


(カキーン!!ワーワーワーワーワーワーワーワー!!)


新庄選手が石毛投手の投げた初球を打った…


打球が阪神ファンがたくさんいるライトスタンドに入った…


この時、朝日放送テレビの実況アナウンサーがものすごくコーフンした声で実況していた。


なんと、サヨナラホームランだ…


テレビの前に集まっているおっちゃんたちが大歓声をあげた。


「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ〜」

「きょうもタイガースが勝った勝った〜」

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ〜」

「石毛が出た日はラクショーラクショー〜」

「きょうは酒がうめーな〜」

「ハハハハハハハハハハハハ〜」


おっちゃんたちは、大きな口をあけてわらい転げていた。


その後、おっちゃんたちのひとりが店にいるおっちゃんに対して『サケ追加〜』と言うた。


このあと、おっちゃんたちはより大きな声で『六甲おろし』を合唱した。


私は、よりするどい表情でおっちゃんたちをにらみつけながら食べかけのめしを食べながらつぶやいた。


日本人は、試合観戦のマナーがものすごく悪い…


メジャーリーグの球場では、だまって観戦しているのに…


あのおっちゃんらはものすごくはぐいたらしいワ!!


時は、夜10時頃であった。


またところ変わって、道頓堀川にかかる相合橋あいおいばしにて…


橋の上に大学生たちのグループ30人が集まっていた。


この時、橋の欄干にグレーのグンゼのブリーフを着た男子大学生が立っていた。


(ピーッ、ピーッ、ピーッ!!…ドボーン!!…ワーッ!!)


パンツ一枚の男子大学生がホイッスルの音に合わせて川へダイブした。


周囲にいる男子大学生たちは、アホみたいにはしゃぎまわっていた。


私は、男子大学生たちのグループ30人をするどい目つきでにらみつけながらつぶやいた。


平成になっても、今どきの若者はけしからん!!


彼らは、どこの大学ガッコー学生クソガキだ!?


60年代後半に学生運動をしていた学生クソガキどもと同じだ!!


学生クソガキどもがいる大学ガッコー教授センコーの教え方が悪いからまちなかで悪いことをしている…


どいつもこいつもふざけるな!!


(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)


時は、深夜11時40分頃であった。


ところ変わって、阪神電車の車内にて…


私は、ショルダーバッグを持って再び旅に出た。


私は、大阪メトロ心斎橋駅から地下鉄に乗って梅田駅へ向かった。


梅田駅で阪神電車に乗り継いで神戸方面へ向かった。


この時間、私・イワマツを入れて20人くらいの客が電車に乗っていた。


ショルダーバッグを持っている私は、右手でつり革をにぎった状態で立っていた。


私のまわりにいる客は、態度がものすごく悪い人間ばかりであった。


人が読んでいる夕刊をのぞき見しているクソあつかましいホイト


どぎつい色のメイク顔の女が座席であしを広げて座った状態でメイクを直していた…


横向けのイスに寝転んでキョウレツなイビキをかいて寝ている酔っ払いの平社員マンネンヒラ


デイスイ状態でつり革にもたれているドカタのおっちゃん…


イスに座って、大きい口をあけて『キャハハハハハハハ…』とわらいながらケータイで電話しているヤマンバギャル


……………


彼らは、どこのどこまで態度が悪いのか!?


日本国このくにの人間は…


頭がボロいワ!!


私は、するどい目つきで彼らをにらみつけながらつぶやいた。


私は、途中の青木駅おおぎえきで電車を降りた。


ショルダーバッグを持って電車から降りた私は、改札を通って外に出たあと国道43号線を歩いて旅に出た。


日付が変わって、7月28日の深夜0時半頃であった。


私は、阪神高速道路3号神戸線の摩耶まやランプ付近にあるガソリンスタンドに到着した。


私は、ガソリンスタンドの休憩所にいた長距離トラックの運ちゃんにヒッチハイクの交渉をした。


それから10分後であった。


ヒッチハイクの交渉をまとめた私は、トラックの車内に乗り込んだ。


(ブロロロ…)


0時55分頃、私が乗り込んだ長距離トラックがガソリンスタンドから出発した。


トラックは、国道2号線を通って山口方面へ向かった。


一刻も早く大番頭おおばんとはんたちを見つけなきゃ…


残された時間は限られている…


急がなきゃ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る