153.アヤネは魅せます

 鐘が鳴らされ試合開始。


 鎖使いが丸い錘が付いた鎖を飛ばす。よく見るともう片方の鎖は尖った形状の錘が付いている。そっちは危険だから使っていないのかな?


 鎖の長さは五メートルくらいだろうか? そこまで太い鎖に見えないけど重さ的にどうなんだろう? 体に巻き付けているけど重くないのだろうか?


 そして、面白いのがこの鎖使い鎖をある程度だが、自由に鎖を動かせるようなのだ。どう見ても、そんな動き無理だろうとか、何も動きを見せていないのに急に鎖の先端の錘が相手に向かって飛んでいくことがある。


 自動追尾型か⁉ 男の浪漫武器だ! ロマンサーとして羨ましい!


「あの鎖、勝手に動いているよね?」


「あれは制限付きの念動力系のスキルであろう。おそらく、物に触れていないと動かんってところであろう」


「「「へぇ~」」」


 なるほど。だから鎖なんだ。スキルって凄いって思う反面、恐ろしく感じる。


 どのくらいまで伸ばせるのかわからないけど、間違いなく五メートルくらいまでは伸ばせるはず。


「針に毒を付けて糸で操れば暗殺し放題じゃねぇ?」


「やれんこともないであろう。だが、あの者の範囲は自分が見ておる範囲だけであろう。現に、自分の後ろでは鎖を操っておらん」


「だね~」


 アイリスは気づいていたみたいだね。俺はまったく気づいていなかった。


「それにあの者がそういうスキルを持っていることは、今回で世間に知れ渡る。あの者の近くでそういうことが起これば、犯人はバレバレよ」


「だね~」


 ファインもケットシーさんたちも頷いている。


「必殺技はここぞという時に使ってこそ、必殺技よ!」


「だね、だね、だね~」


「必殺技はかっくいぃ~です!」


「ちぃ~」


 この三人は魔法少女アニメ仲間だから、そうなるな。だけど、言っていることはわかる。初見殺しに二度目はないってことだ。世間に知られることなく、必ずるから必殺なのだ。


 しかし、本当にそうか?


「例え相手にその技を知られていたとしても、必ずるから必殺でしょう?」


「クートは甘い! そんな万能なスキルなど滅多にない。そんなスキルを持つ者は、馬鹿でもない限り人前に出てくるようなことはないし、そうそう使わん!」


 あることはあるんだね。そんな力を持っていたら、金なんていくらでも稼げるし、地位や名誉だっていくらでも得られる。でも、必ず厄介ごとがもれなく付いてくる。よほどのことがなければ表には出てこないし、出てくる必要もないってことだ。


 じゃあ、俺はって? 俺は最近そんなこと気にするのをやめた。厄介事? 叩き潰せばいい。これが異世界マヤリスではなく向こうの世界だと難しいけど、異世界マヤリスならそれができる。


 喧嘩なんていくらでも買っていい。面倒だからしないだけ。最近思うようになった。この異世界マヤリスは俺にとって遊び場でしかないと。なんなら、世界征服したって構わない。


 だけど、それをやると楽しみより、面倒事が増える。それよりも、やり過ぎるとこの世界の神が出てきそうだからやらない。


 逆に言えば、向こうの世界には神なんているのかわからないから、世界征服は案外簡単かも?


 それはさておき、さすがに神相手に戦いを挑むのは無謀だと思う。あんなBMブラックマーケットを創る連中だ。俺如きでは太刀打ちできない。遊びで命を懸けるほど馬鹿ではない。だけど、ダビーさん辺りの助力を得られればやれそうではある。


 アヤネは躱し続けている。アヤネも鎖の動きに気づいている。そして相手の後ろを取ろうとしているが、鎖使いはそれを必死に阻止している。


 アヤネがやろうと思えばすぐに決着はつくと思う。アヤネはあえて攻めあぐねているように見せ、そして華麗に攻撃を躱し続け、この試合を魅せるようにしている。ついでに、この鎖使いの実力を測っている。これ以上、技はないのかと。


 あったみたいだ。


 丸い錘のほうだけでなく尖った錘のほうも使い二刀流戦法。刀じゃなく鎖だけど。縦横無尽とまではいかないけど、片方は必ずアヤネの死角を狙っている。会場からどよめきが起きていることから、ずっと二刀流を隠していたっぽい。


「あと二試合。ここで本気を出さねば悔いが残ると思ったのであろうな」


「本気で戦って負けるのだから、諦めもつくんじゃない~?」


 どうだろうね。やっぱり、悔しいんじゃない? 


 もし、ここで勝ったとしても、次の相手はフレディさんだから勝つのは難しい。素人の俺から見てもこの鎖使いは粗削り。まだ若そうだから次回の天祐十傑神選の予行演習と割り切ったほうが、心のダメージは少ないと思う。無理だろうけどね。


 ちなみにフレディさんの試合は終わっている。パワーだ! 圧倒的なパワーで勝っていた。正直、相手の人は相手になっていなかった。ただただ、パワーでの両手に持った剣で連続攻撃。相手に攻撃させる隙を作らず、最後は蹴りで場外に飛ばして終了。


 あの戦い方は長期戦には向かない。短期決戦での戦い方。場外に蹴り飛ばしたのも、相手が降参しなかったからだと思う。途中で相手に何かを言っていたように見えた。


 勝てば今日はもう一試合残っているので、疲れを残したくなかったと思われる。


 脳筋かと思ったら、意外とクレバーなのかも。


 さすが、現天祐十傑ってところか。





猫(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ猫


せっかくにゃので、お暇にゃらカクヨムコン短編に出した作品を呼んで、ご意見ご感想を頂きたいですにゃ。


ミーティア戦記~退役したい軍人と上を目指す軍人の戦い~

https://kakuyomu.jp/works/16818093087377311694


銀英伝、ガンダムオマージュ作品ですにゃ。

優輝 CV:富山敬 or 井上和彦

ユリアス CV:大塚明夫

を脳内変換してお楽しみくださいにゃ。


よろしくですにゃ!


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