126.祝勝会です
お店のほうも店じまいしたようで、店内の掃除をみんなでしているようだ。
カミーユを中心にバーベキューの準備をしている間に、ライアとケットシーさんたちと素材の売り上げについて話をする。
今回の売り上げ分の二割を手数料としてもらうことになった。手数料を取るつもりはなかったのだが、ケットシーさんたちの合議で決まったことだ。最初は三割寄こすと言ってきたが、二割で手を打ってもらった。
代わりに、ほかのケットシーにもこの話を広げてもらい、うちに優先的に卸してもらえるようにお願いした。
今回のケットシーさんたちの売り上げは、二割を渡しても今までの三十倍以上になったそうだ。どんだけ買い叩かれていたんだよ! って感じ。
ケットシーさんたちに生活用品や嗜好品など、必要な物などをリストにしてもらう。値段はこちらの物価を知っているライアに任せ、少し割り引いて売ることにする。
ちょっと驚きなのだがポーションが欲しいという。ポーションの素材を売っているのに、ポーションが欲しいとはなんぞや?
「薬草はそのまま使っているけどよう。ポーションのほうが薬効が高いんだ。ポーションは人族の専売特許だからよ、妖精族には作れねぇんだ」
なるほど、そういうことか。
「人族の下で修業すればいいんじゃな~い?」
アイリスの意見はごもっとも。お願いすれば、教えてくれる人がいるかも。
「うーん、そうなんだけよう。妖精族って基本自由奔放でよう。ジッとしたり集中したりするのが苦手なんだよ」
な、なるほど……。それは難儀ですなぁ。
「みなさん、そうなのですか?」
「ちぃ~?」
美紅の肩の上でチロルもそうなの? って首を傾げている。
「そうだなぁ。コボルトなら気は長いほうだ。だが、手先が器用じゃねからなぁ」
なかなか、難しいようだね。やる気があるなら相談に乗ると言っておく。
最後にこちらでは買えない向こうの世界の品も売り込んでおく。お酒に布、野菜に魚、百均で買えるような便利グッズなどだ。みなさん、興味津々のようなので、その辺もライアに任せる。ほかにも要望があればご相談となった。
お店の掃除も終わり、警護をしてくれていた女性ハンター三人も呼んで、祝勝会という名のバーベキュー大会。
始めに挨拶を少しばかりしておこうかね。
「本日、予選を勝ち抜き決勝への駒を進め本戦出場を果たした、美紅、ハヤテ、カスミ、アヤネ、ご苦労様でした。明日の決勝も油断することなく勝利することを期待しています」
「もちろんです。クート」
「「「お任せください」」」
「みんなの勝利を祝して、明日の戦いも勝っちゃうぞ~。乾杯~!」
「「「「乾杯!」」」」
「「「「にゃうぇ~い!」」」」
ありゃ、いいことろをアイリスに持っていかれてしまった。
女性ハンター三人は俺の話を聞き、四人全員が決勝に残ったことに驚いている感じ。それくらい快挙ということだ。
そんな女性ハンター三人は、ワインを持って現れたファインに言い寄られまんざらでもない様子。ファイン、背が高くてイケメン、そのうえモデル体型だから普通にモテる。調べてみれば、若手ハンターの中でも結構有名人みたいだ。
一回戦で美紅と当たっていなければ、いいところまで行ったのかもしれない。だが、一回戦で美紅と当たったということは、結局運がない奴ということでもある。そう考えると、イケメンもげろ! ではなく、頑張れ! って言ってやりたくなるね。
さてさて、焼き台の上で育てていた俺の鶏肉がいい具合に育ってきた。鶏肉や豚肉はちゃんと火を通さないと駄目。でも、ちょっと目を離すと真っ黒こげになってしまう。ゆっくりじっくりと育てるのがコツ。
「ちぃ~」
むむ。チロルが肩に登ってきて、俺の育てた鶏肉の様子を窺いそして俺を見る。なんて、つぶらな瞳で見てくるのでしょう。負けた……。しょうがない、食べ頃の鶏肉を皿に載せてテーブルの上に置く。
「火傷するなよ」
「ちぃ~」
チロル、美味しそうに食べるね。また、育てるか……。
こうして、夜は更けていく。
朝、朝食を食べ昨日と同じメンバーで
事前にボックス席と撮影用の観客席二シートは予約済み。なので、チケットを持っていないケットシーさんたちをボックス席にご招待することにした。
闘技場に行く前に昨日の夜にアイリスが編集した、二回戦の映像を流すためモニターをセッティング。昨日の混雑を踏まえて、女性ハンター三人の紹介で警備の人数を二人増やしている。
寒いけど、今日もいい天気だ。
決勝戦日和だね。
猫(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ猫
スメラミクニラビリンス~月読命に加護をもらいましたがうさぎ師匠には敵いません~
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884258759
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