88.拠点を代えます
向こうの件はそんなところでいいだろう。あとは俺たちが引き継ぐ。
二人にはこちらで会社立ち上げをしてもらわないといけない。
まだ、この屋敷に住めないから当分はホテル暮らしをしてもらうことになる。
「取りあえず一人は会社設立の手続き、一人はあのリストの裏付け調査だ。会社が出来たらビジネスバンクで口座を開設しよう。二人も自分用の口座を作るように」
「承知しました」
「今回の調査費用はどれくらいもらえるかな?」
「取りあえず一人五万フランずつ使っていい。経費は別で」
宿代やスマホ、服などは経費でいいだろう。そうなると、今後のことを考えると税務関係を担当する人も雇わないと駄目だな。その辺も後でみんなと相談しよう。
屋敷のほうは使えるようになったら連絡すると言っておく。
「車が必要になりますが買ってよろしいですか?」
「そうだね。プライベート用に一台ずつ買うといい」
「予算は!?」
「任せる。でも、変な車は買うなよ。エマを連れて買い物とかに行ってもらうんだからな」
「了解!」
パトリックは落ち着いた性格だから問題ないけど、ハンスはチャラ男系だから不安。
「あと、ハンスは日本で店を任せるから、就労ビザの取得も忘れるなよ」
「あいあい。任せておきなさい」
不安しかねぇ……。
屋敷の家電製品に関しては、セバスたちが作ったリストをパトリックに渡し手配するように頼んだ。
スイスでのお金も必要になるので、
それから、
その間にスイスの大手銀行でのプライベートバンクの開設も終わり、二十億G分のフランを預けた。すぐに有名処のクレジットカードと家族カードも作った。これで現金で買い物しなくて済む。
ブラックかプラチナにするかとも思ったけど、買い物以外使う予定がないのでゴールドにした。移動は基本ドアだし、ホテルに泊まることもほとんどない。
そして休みの日、全員でキルヒベルクの屋敷に行く。パトリックとハンスにも手伝わせる。
ちなみに、パトリックはフォルクスニャーゲンの高級セダンを買ったようだ。それはいいのだけど、ハンスはルブニャンのスポーツカーを買いやがった。んなもん買って、買い物行く気か!
「ルナと高坂さんはピムとチロルと遊んでいてください」
「カヌーに乗りたいです!」
「ちぃ~」
「じゃあ、俺が」
「ハンスはこっちを手伝うんだよ!」
美紅がピムにフカフカのフード付きコートを着せている。遠くに見える山々には雪が見える。アルプス山脈かな? あの高い山がマッターホルンだったりして?
外は寒いけど屋敷はセントラルヒーティングなので、どこにいても暖かく快適。
全員で掃除して家具やカーテン、家電製品を設置していく。一日じゃ終わらないね。それでも、なんとか寝る場所は確保した。キッチンも使えるようになったのでカミーユに料理を頼む。
今日からここで生活する。パトリックとハンスもホテルを引き払いここに住む。日本の部屋はそのままにする。千葉の家が完成するまでは使う予定でいる。
日本のほうがいろいろ便利なこともある。特に買い物、日本だとスーパーは基本年中無休だけど、こっちでは定休日がある。それになによりコンビニが無いのが不便。
二十四時間営業できる日本ってほんと平和なんだね。日本って凄ぇんだなぁって思う。
みんなで夕ご飯を食べながら、今後について話をする。
「会社を作るとして従業員はどうする?」
「結構、見せられないものが多いよね~」
結構というより、ほとんどが見せられない。
「お金の流れ、物の流れは絶対に見せられません」
「私とハンスに、それぞれ秘書兼会計士を付けてもらえれば問題ないかと」
オートロイドを使うってことだね。会計士の資格を取らせないと駄目だ。
「それ以外は現地採用でいいんじゃね? あまり、ブラックボックス化しても逆に怪しまれるそうだし」
「こっちはいくつかの工房を一纏めにして、今の工房の経営者は職人じゃない者は解雇。すべて会社で管理するようにする。日本のほうは輸入品の管理、販売と店舗管理かな」
工房は今のところ五つを買収しようかとの話になっている。時計、宝飾品、食器、家具などのインテリア、小物などのアクセサリー。どこも。経営不振でアップアップ状態。正直、潰れていないのがおかしいと思える工房まである。
働いている職人が逃げ出す前に囲い込みたい。逆に潰れそうな工房から職人を引き抜くのもありだ。俺が言わずともパトリックが考えているだろうけどね。
必要なことを話し合い内容を煮詰めていくを繰り返していく。こちらも、日本も年明けに向けて会社設立を目指すことになった。
俺がやることはほとんどない。書類に名前を書いて判を押すくらい。
すべて、お任せだ。
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