8.騙し騙されが日常茶飯事みたいです
あぁ、魔法使いになれないとは……。
「どうするさね? ほかに欲しいものはないさね?」
気落ちしながら、残りの下部分を見ていく。
ん? 真偽のモノクル 五万Gだと!? 鑑定系アイテムか? これ本物か?
「この真偽のモノクルってどんなものですか?」
「そいつはアイテム専用の簡易鑑定用のアイテムさね」
「この値段の理由は?」
「人物の鑑定はできないさね。それと、瞬時に鑑定ができないのと、所詮簡易鑑定だからさね」
「使ってみても?」
「いいさね。はいよ」
目にモノクルを付けて、自分の腕時計を見る。十五秒くらいかかり鑑定結果が浮き上がってきた。
腕時計 正常 偽物 六千G
五年以上使っているDショックのばったもん。買った当時は一万二千円だった気がする。経年劣化分が引かれた価格かな?
「これより性能の良い鑑定用アイテムはありますか?」
「良いものはすぐ売れるさね。そいつは売れ残りさね」
「二万五千Gなら買います」
「四万五千G」
「三万Gならどうです?」
「四万G。これ以上はまけないさね」
まあ、いいかな。お試し品だから四万Gなら妥当だろう。この性能でも、収納系アイテムの鑑定には問題なさそうだからね。
「またのお越しを待ってるさね。ヒッヒッヒッ」
最後の笑いが少し不安にさせる。騙す騙されるも自己責任。騙されたとしても勉強と思っておこう。
魔女のおばあさんのお店を離れ、次の店を探す。
アイテムバッグといったら、やっぱりファンタジー系の定番だよね。となると、SF系のご主人の店より中世ヨーロッパ系のご主人の店を狙うべきか? でも、蛸壺型の収納アイテムがあったタコさんの店って、SF系なんだよなぁ。お店が多くて悩む。
そんななか、一際お客で賑わうお店を発見。興味があるので行ってみる。
店の店員さんはちっさいおじさん。身長百二十センチくらいかな。
「本日、店仕舞いセールだよ~。何でも半額、交渉での値下げもありだよ~」
このくらいの呼び込みはセーフなのかな? まあ、大声は出していないね。
それと、ブラックマーケットでも店仕舞いセールってあるんだな。大抵はリニューアルとかで本当に店仕舞いする所って少ないよね。年中、毎日店仕舞いセールをやっている店もあるくらいだ。あるあるだ。
カウンターのディスプレイは五台あるがお客さんで埋まっている。並んでみるか。少し待つと空いたので商品を見てみる。
上二つが特価となっていて在庫限りとある。簡易なガントレットみたいに見える。これは防具かな? どちらも二万G。在庫限りとあるが数量はどこにも書いていない。怪しい。
だけど、見た目は格好いい。異世界に行ったらモンスターと戦うことも出てくるかもしれない。性能が良いなら買うのもありだ。だが、怪しい。
「この二つの現物を見れますか?」
「あいよ! こいつだ」
モノクルを付けて鑑定。
パルスガン付きアームガード 正常 本物 十一万G
ビームシールド付きアームガード 正常 本物 十三万G
むむ? 本物だ。鑑定した価値も高い。じゃあなんでこんな安く売るんだ? 二万Gの半額だから一つ一万Gだぞ?
「なんでこんな値段で売っているです?」
「大きな声では言えないがな、こいつはポポヘル軍の通常装備品だったんだ。だがな、敵国のププエラ軍がこいつを無効化する装置を開発しちまったんだよ」
まったく使い物にならなくなったってことか。
「そいでな、ポポヘル軍も新しい兵器を開発するために資金が必要になったわけだ。それで、こいつらを軍が少しでも資金を捻出するために、大量放出したってわけよ」
それをこの人たちが買い付け、ここで売っているってことか。だが、怪しい。けど、欲しい。ププエラ軍には通用しなくても、モンスターには通用するかもしれない。
「エネルギーの補充はどうすればいいんですか?」
「こいつは自動回復のカートリッジで動くぜ。使わず置いておけば何度でも自動回復して使える。カートリッジ一つに付き弾数は五十。シールドのほうは受けたダメージで変わってくるから、ケージを確認しながら使うほかねぇな」
「その二つと予備のカートリッジ二つ買うので、いくらにしてくれます?」
「そうだな。おおまけで三万Gでどうだ!」
おいおい、高いだろうよ。本体が一万Gなのに予備カートリッジが五千G以上するってか?
「帰るわ……」
「ちょ、ちょっと待ったぁぁ! よし、二万五千Gでどうだ!」
まだ、高いな。
「二万Gなら買う」
「くっ、持ってけドロボー」
ドロボーってちゃんと金は払うよ?
見せてくれた品と違うのを出してきて、カウンターに並べて置かれた。
ん? 違和感を感じる。なぜ、さっき見せた物と違うものをわざわざ置いた? 今のを寄こせばいいだけなのに。……まさかねぇ?
モノクルを付けて確認してみる。
四つとも、状態が破損と出ている。
ははは……騙す騙されるは自己責任かぁ。
ブラックマーケット、怖いわぁー。
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