第4話 まだ買うの……?

「綾花ー? あの店も行こうよー?」

「え? あっこ服屋さんだよ? さっき買ったじゃん?」

「えー、もう要らないの?」

「いや、欲しいけど……お金が……」

「いーよあれくらい、それにここはそんなに高くないし、さっ買いに行こ〜」

「えー、財布の中どーなってるんや」

「まぁ、行くけど」


「いらっしゃいませ〜……!」

「か、か、可愛い!」

「よし! ファッションショーしましょう! お客様!」

「はい! やりましょう!」

「なんで勝手に決めてんだよ、やるけど……」


こうして突然始まる第3回 秋のファッションショーだった。


エントリーナンバー1バァァァン!

オープンショルダートップスと……?

ショートスカート!

ガーリーでめちゃくちゃ可愛い!


ノリノリの店員さんである。


エントリーナンバー2バァァァン!

デニムコートと……?

黒のカーゴパンツ!

ストリート感がありとてもかっこいい!

そして可愛い!


エントリーナンバー3バァァァン!

ボアコートと……?

ショートパンツ!

ショートパンツはボアコートにほとんど隠れている! なんかすごい大人っぽい!

大人可愛い!


エントリーナンバー4バァァァン!

チェスターコートと……?

ジーンズ!

いやー、こちらも大人可愛い!


エントリーナンバー5バァァァン!

デニム生地のオーバーオール!

下にはボーダーのTシャツを!

子供っぽく仕上がったー!

すごいしっくりくる! 可愛い!


エントリーナンバー6バァァァン!

パーカーと……?

フレアスカート

少し大きめでふわっとしたパーカーとフレアスカートが相まってとても緩い印象に!

軽い印象で超可愛い!


エントリーナンバー7バァァァン!

ジップパーカーとキャミソール!

下はそのままフレアスカートで!

ジップパーカーはあえて全開で!

キャミソールを見せる! キャミソールで魅せる!

ほんと可愛い!


エントリーナンバー8バァァァン!

チュニックと……?

先程のジーンズで!

大人しくて可愛い!

オシャレ可愛い!


エントリーナンバー9バァァァン!

トレーナー!

ちなみに裏地はボアなので温かいでーす!

合わせるのはストレッチデニム!

ゆる可愛い!


いよいよ最後となってしまいました……

エントリーナンバー10バァァァン!

カーディガンだ!

こちらも先程のキャミソールとフレアスカートで合わせました!

大人可愛い!


・ ・ ・


「ほんと可愛いですね! めっちゃ楽しかったです!」

「いやー、でしょ? うちの妹ほんと可愛いんだよね〜」

「そそ、僕可愛いんだ!」

(またボクっ娘きたー! 可愛いー!)

「ところで、お買い上げになりますか?」

「あっ、うん! 全部ちょーだーい!」

「ぜ、全部ですか? かしこまりました……」

「また全部買うんかよ……」

「当たり前じゃん! 可愛かったし……」


・ ・ ・


「そ、それでは……18点で……88000円となります……」

「ん、おっけー、さっきより安いね〜」

「えぇ……この人何者……?」

「ねぇね、そんなこと言うから店員さん困ってるやん……」


・ ・ ・


店を出て歩く2人。


「姉ちゃんそんなお金使って大丈夫?」

「え? うん、バイト頑張ってるし」

「うぅ……なんかごめん……」

「謝らないでー! またファッションショーやろね!」

「てかあの店のハンバーガー食べよー? なんか美味しそうやし!」

「いや、まだお金使うんかよ……食べるけど……」


財布から無限にお金が出てくる風花だった。

いったいどれだけバイトしてるんだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る