第2話 砂丘と猫耳
暑い…。ここは、どこだ…?
ジリジリと暑い日差しを背中にくらいながら、眠りから覚める。
確かキャラを選択したら飛ばされたのだったと思う。
よく見ると俺は砂の上に寝ていた。
「おーい蒼鳥悠樹ー」
誰かが呼んでいる声が聞こえる。その声はだんだん近づいてくる。まるでここにいると確信があるかのように。
「あっ、いた悠樹。さがしたわよ」
『白鷺美月』すぐにわかった。さっき選択したキャラだ。職業は白魔術師だったか。
どうやら猫耳キャラらしい。ケモミミ趣味に刺さる見た目をしているのは間違いない。
「あ、あぁ」
喉が焼けてしまったのか声が出ない。
「ちょっと、ホントに大丈夫なの?」
「あっ、平気です」
とぼけた返事を返す。
「そう。それじゃふざけてないでさっさと帰るわよ。宿でクロシェイが待ってる」
「はい、」
とりあえず灼熱地獄は嫌なので宿に戻ってから考えることにした。
そして一緒に宿に歩き始めたところに、
「そういえば、なにか見つかったの?」
唐突に質問される。俺は目覚めたら砂漠に寝ていたのに何を言っているんだろう。
「なにがですか?」
素直に聞きかえす。
「『見つけた』とか言って砂丘に飛び出したのは誰よ」
そんなことをしてたのか過去の自分。そしてここは砂漠じゃなく砂丘らしい。
「あぁ、そうでしたね」
そういうことにしておく。めんどくさくなりそうだからだ。
「そうも何も勝手に飛び出して、勝手にぶっ倒れて、」
この人はお母さんかなにかなのだろうか?
なんてことを考えてたら、ポケットに違和感があるのに気づいた。取り出してみると宝石のはまった鳥型のブローチが出てきた。
「あら綺麗、やっぱ悠樹って珍しいものを探す才能があるのかしら」
美月がそう言う。
鳥型のブローチはなにか特別な力を放っているようにも見えた。
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