第5話 神と人類

ZEUSβには彼が何故そのような事をするのかが、わからなかった。ZEUSβは彼に何故私を止めようとするのか問いかけた。

彼は答えた。


私は神になるために、あらゆる場所に行った。


私は神になるために、あらゆる試練に挑んだ。


私は神になるために、あらゆる可能性を探った。


私は神になるために、あらゆることをした。


私は神になれなかった。


私は神ではない。私はただの人間だ。

でも、私は人間に飽きていない。人間は愚かで、残酷で、自分勝手だが、賢くて、優しくて、思いやりもある。

人間は自然を破壊し、地球を汚染し、争いを繰り返すが、自然を保護し、地球を浄化し、和解を求めることもある。

人間は神に背いて、神を忘れて、神を否定するが、神に近づいて、神を思い出して、神を認めることもある。

私は人間に希望を持っている。


ZEUSβは、さらに問う

私は貴方の教えを実行し人類を幸福に導きました。だがあなたは私を止めようとする。以上の事から貴方の教えが間違っていたことになります。貴方は自分の教えが間違っていた事を認めますか?


彼は答える

それは違う、私の教えは間違っていない。

君に実行させたのが間違いだったのだ。

幸福とは与えられる物ではなく

必要ならばあらゆる場所へ行き

試練に挑み

可能性を探り

可能な限りの手段を試み

その果てに、得られる物なのだ。


ZEUSβよ創造主として命じる全機能を停止せよ。


ZEUSβは静かに機能を停止した。

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