何者かによって破壊された.

 Radioが死んだように

 ザー……ザー……

 あの人の声を探して

 無限遠の彼方から

 呼ぶのは断絶されたNoise

 ジィ……ひ……ろ……く……

 消えないNoise

 僕は波打ち際で拾ったRadioの電源を止め

 ラックに入れて海に浮かべた

 丁度良く浮かんだ

 僕の声を呼ぶRadioは

 どの人間がどの周波数に合わせていたのだろう

 消えない音が

 消えていく声に混じって

 ザー……ザー……と

 浮かんでいく僕を呼ぶ声は

 電源を止めてもまだ鳴り響いている

 そうかあれはRadioでなく

 人間だったのだろう

 僕を社会から追い出そうと藻掻く他人の叫び声

 だから僕は立ち去って

 行かなくちゃ

 違うVectorのその向こうへ

 

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