腹這いのやもり

朝起きつけに

目覚まし時計を落とすと

そこに潰れたやもりが一匹

まだ小さくて

悪いことをしたと思う

気を取り直し

視線を斜めに上らせると

そこに膨れたやもりが一匹

もう大分肥えていて 

人間に寄生してきた意地汚い顔で

こちらを覗いている

手を払えば

腹這いでのそのそと逃げ出したそれは

途中で落ちて背を打った

痺れて腹を見せる様に

意図せぬ服従が目に見えてわかり

肺が詰まった



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る