竹箒

竹箒の足が地面を削り

昼過ぎ

枯れ葉や砂が少しずつ集められていく

砂をパラパラと舞わせつつ

地面に張り付いた葉を剥がしていくと

時折 その下に虫が潜んでいる

毛虫だんご虫ぞうり虫

住処を取られ唖然とする彼らを

僕は邪魔だからと

何度か掃き殺してしまった

竹箒の細い足が

彼らを轢き殺してしまった

砂に当たり丸まった彼らは

理不尽を嘆いているようで 少し悲しかったが

だからと言って彼らを生かすつもりは

僕の心には一つもなかったのだった

 

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