第5話
公園には黄色いテープで巻かれたジャングルジムがあるだけだ。
僕らが座っていたベンチは撤去されている。
公園の正面に生えている木の根元に僕らはタイムカプセルを埋めたはずだ。
僕は根元を掘り返す。
土まみれになる手が少し震えていた。
そこには何も埋まっていなかったからだ。
数分間ただじっとそこを見ているだけの時間が過ぎて、僕はようやく考え始めた。
何故ないのかでは無く、そもそもそんなものがなかったのではないかと考え始めた。
僕にはそもそも彼女と過ごした日々が全くないことにその時気づいた。
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