大学落ちて学歴主義の実家を追い出された俺、痴漢から助けた美少女大学生に同棲しながら勉強を教えてもらう。受験までいろいろ耐えられません〜

水間ノボル@『序盤でボコられるクズ悪役貴

第1話 大学に落ちて幼馴染に振られて、実家も追い出される「劣等遺伝子とは付き合えない」

 東応大学——

 

 通称、東大。


 日本一の秀才が集まる大学だ。


 卒業生は、官僚、政治家、大企業の重役、科学者……各分野で一流の人材となっている。


 東大に入ることが、俺のすべてだった。


 俺は家族全員、東大卒の家に生まれた。


 子どもの頃から勉強、勉強、勉強、の生活……


 【ガリ勉のオタク】と、よくバカにされた。


 それでも俺は、家族の期待に応えようと勉強しまくってきたのに——


「俺の番号が……ない……」


 東大のキャンパスに、合格発表を見にきた俺。


 信じられない光景に、俺は固まってしまう。


「おう。湊、どうだった?」


 同じ海堂高校の、佐藤が俺に話しかける。


 こいつも、割とオタクだ。


 高校ではいつもつるんでいたが。


「……ダメだった」

「え……っ! マジかよ! 湊、俺より成績良かったじゃん!」

「てことは、佐藤は……」

「俺は合格したぜっ! ああ……やっと思いっきりゲームできるぜーっ!」  

「…………」

「あ……っ。悪いな。ま、お前なら他のいいとこ行けるよ! お、田中じゃんっ! どうだったーっ?」


 気まずい空気に、佐藤は俺から離れて行った……


「おーすっ! 優斗、どうだったー?」


 ぼんっ!と、亜美が俺の背中を叩いた。


「…………」


 宮本亜美——俺の幼馴染だ。


 茶色がかかったツインテールに、パッチリした目。


 家が近所で、幼稚園から高校までずっと一緒で。


 そして、俺の彼女でもある。


「優斗は合格したでしょ? 模試の結果もよかったし」

「…………いや」

「え……っ? 嘘、嘘でしょ〜〜っ! 優斗、落ちたんだ……」

「亜美は、どうだった?」

「あたしはね〜〜合格したの! 絶対に落ちてると思ってたわーっ!」

「よかったな。おめでとう」


 俺は落ちたけど、彼女の亜美は合格した。


 素直に嬉しいし、心からお祝いしたい。


 と、俺は思っていたが——


「そっかあ〜〜優斗落ちたのね。じゃ、別れましょう」

「…………えっ?」


 信じられない言葉に、俺は絶句。


「だってぇ……東大に落ちる【劣等遺伝子】と付き合いたくないもん」

「でも、お前、いきなり……」

「優斗が東大合格すると思っていたから付き合ってたの。あたしは優秀な遺伝子と一緒になりたい」

「俺が落ちたから別れたいと……」

「【バカ男】と付き合っていたら、あたしに【バカが感染る】わ。じゃあね〜〜っ!」


 亜美は佐藤のほうへ走って行く……


 ——プルルルルっ!


 父さんから電話だ。


『優斗、当然、合格したよな?』


 ……合格が前提の質問。


 しかし。


『父さん、ごめん。落ちてた……』

『な、な、な……なんだと?』

『死に物狂いで勉強して、来年、絶対に合格して——』

『……出て行け、屑野郎』


 実の父親から、耳を疑う言葉が。


『えっ?』

『東大に落ちる【落伍者】に、生きる価値はない』

『でも、生活が——』

『お前を東大に入れるために、俺がどれだけ投資したと思う? 無能なお前のせいで台無しだ。湊家にいる資格はない。出て行けええええええええええっ!』


 ガチャンっ!


 電波は切れた——


 ★


 東大に落ちたせいで、


 俺は幼馴染に振られ、


 実家を追放された……


 行く宛もなく、俺は電車に乗った。


 ぎゅうぎゅうの満員電車で。


 はあ……これから俺はどうすれば?


 と思っていたら、


「……つっ!」


 隣の女の子が、苦しそうな声を漏らす。


 絹のような黒髪が、小刻みに震える。


 整った白い顔を紅潮させて、【何か】にじっと耐えている……


 セーターの下の大きな膨らみに目が吸い寄せられて、


 それから、スキニージーンズの丸いラインに、


 男の手が……!


 女の子を挟んで、俺の反対側に、スーツを着たオッサンがいる。


 間違いなく——痴漢だ。


 女性を深く傷つける、卑劣な犯罪。


「う……っ!」


 女の子は泣きそうな顔をして。


 本当に辛そうだ……


 一方、オッサンはニタニタしながら愉しんで——

 

 女の子が嫌がる様子さえ、喜んでいやがる。


 ……許せない。


 同じ男として、絶対に許せない。


「オッサン。やめろ。この子が嫌がってるだろ」

  

 俺はオッサンの手を掴んだ。




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【大事なお願い】


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