第20話龍王国の幸せ

 龍王国は大々的にグランディルと交流する事を決定、龍王国の屈強な冒険者がグランディルのダンジョンに挑むと言う計画もあると言う。 

 

 今現在のグランディルダンジョンは50階層まで人の手が入っていて、牧場なんかも出来つつある。 

 

 パーティーは2、3日続き、やっと落ち着きを取り戻し始めた。 

 

 俺とシルフィもそろそろグランディルに帰らなきゃいけない。 

 

 「ニア?」 

  

 「いや!」 

 

 返事が早い!なんとなく察したんだろうけど返事が早いよ。 

 

 「ニア、俺とシルフィはそろそろグランディルに帰らなきゃいけないんだ」 

 

 「・・・・・ニアも?」 

 

 「ニアはお母さんとお父さんと一緒に暮らさないと、やっと一緒に生活出来る様になったんだから、ねぇティアマトさん」 

 

 俺はニアの母のティアマトに助けを求める。 

 

 「別にいつき君についていってもいいわよ」 

 

 「いや、よくないでしょ」 

 

 「だって龍族だもの。私も幼少期から親と一緒にいなかったわ。アルビオンは王族だから違うかもしれないけど」 

 

 「ニア、いつきと一緒」 

 

 え?このまま本当に一緒に来るの??? 

 

 「本気ですか?」 

 

 「ニアが決めた事だもの、それに龍族の寿命は長いわ、人の一生なんかよりもずっとずーっと長いの、ここで多分樹君と一緒にいかないとニアは後悔する事になるわ」 

 

 「ご両親がそう言うなら、一緒にいこうか?ニア」 

 

 「くるるるるるっるう!ニアいつきと一緒!!!」 

 

 「ニアは可愛いから攫われたりしなきゃいいんですけどね」 

 

 「その為にここ最近鍛えてあげてたのよ。自分の身は自分で守れるわ。呪いとはか不安だけどねぇ」 

 

 確かに呪いってわけわかんなくて不安だ、実際に被害にもあってるわけだし。 

 

 そしていつもの如く、街の改変も手伝った。 

 

 魔石でつく街灯の設置、各家庭から王国の地下への下水道の設置、下水道から浄化施設への排水、各家庭への水道、風呂、キッチンのガス台の設置など色々な事を行った。 

 

 トイレなども近代化して魔石やルーン魔術、刻印魔術などを駆使して日本よりかなりエコなエネルギー世界になっている。 

 

 空間拡張による家と家の安定した距離、街道や道の整備など歩道も車道も確保し信号を設置したりもした。 

 

 目まぐるしく変わっていく街並み、整備して綺麗になって行く街、壊れた建物の完全回収にスラムの健全化。 

 

 どんどんと綺麗にそして整備されていく街に、国民は大興奮!街に出向けばいつのまにか使徒様かわ、若様呼びに。 

 

 大勢の人たちが俺をみると、ありがとうと声をかけてくれる。 

 

 それが人の役に立っている感じがして嬉しかった。 

 

 例え借り物の神様の力を使っただけだとしてもだ。 

 

 俺が作った、否作らされた大量のモンブランと酒は国民にも振舞われた。 

 

 魔道具を駆使して作ったから、そんなに手間がかかったわけじゃないのだがそれなりに疲れた。 

 

 問題は効果だった。 

 

 俺の料理には治癒の効果がある。 

 

 それは古い傷や慢性的な怪我、病気などにも効くし、軽い浄化の効果もある。 

 

 なんとなしに、メイドさんと執事さんと俺とニアもみんな一緒になって配ってみると。 

 

 早速効果があったのか、叫び声があちらこちらから聞こえて来る。 

 

 「怪我がなおった!」 

 

 「俺の骨折も!関節も治ってる!」 

 

 「古傷も足や腰も治ってる!すごいぞ!これ!」 

 

 「ぐお!腕が!俺のなくなった腕がまた生えて来た!!!」 

 

 「このデザート欠損にも効くのか!?おい!急いで病院の奴らにもってけ!あと軍人と退役軍人にも!連れて来るかもっていけ!」 

 

 「それだけじゃないぞ!!健康な奴が食うと!もっと強く!もっと強靭になる!すげぇ!味もうめぇ!」 

 

 「ぷっは!酒もだ!酒も凄い酒だ!こりゃ高級酒の味だぞ!?しかも味がころころ変わりやがる!なんてうめぇ酒なんだ!?」 

 

 「酒でも傷は治るぞ!」 

 

 「呪いもだ!呪いも浄化されてる!!!」 

 

 「びょびょびょ病気にも効いてるぞ!!!」 

 

 「治らないと言われていた病気が治った奴がいるらしい!」 

 

 「ああ、駄目になった臓器がまるで新品に変るかの様に新しくなってるって今、病院から検査受けた奴が言ってた!」 

 

 「ボケてた爺さんや婆さんもボケが治った!すげぇ」 

 

 「なんだこれ!霊薬か!?霊薬なのか!?」 

 

 「何よりも欠損や従来目が見えない奴、難病の病気の奴、途方もない重傷をまぬがれた奴、続々回復していってる」 

 

 「これが食の使徒様の料理!?能力なのか!?街や家を快適にしてくれただけじゃなく傷や病気まで治してくれるなんて!!!」 

 

 「いつきの旦那は神の使徒様だ!ただの食の使徒様じゃない!!!神の使徒様なんだ!みろ!街はデカくなり住みやすく!安全に!匂いだってもう臭くない!綺麗で健全な街に公園、そして夜も明るく!公衆トイレや水飲み場だって作ってくれた!それだけでもすげぇことなのに!!俺達国民の怪我や病気まで治してくれるなんて!?しかも健康な奴更に健康に!そして綺麗に!あるか?普通あるか!?こんなに凄い事!!俺達はいま物凄い瞬間に遭遇してるんだ!使徒様万歳!!!」 

 

 「スラムだって綺麗になった!浮いた金で国民へ支援金や補助金なんかもでるらしい!」 

 

 「健全化したのだって、使徒様のおかげだ!」 

 

 「これからはグランディルにも行ける様になるらしいぞ!グランディルの国民は使徒様を快く送り出してくれた人たちだ!グランディルにも!万歳!」 

 

 「使徒様はもうかえっちまうのか!?もっと龍王国にいてほしい!」 

 

 「きっと俺達以外にも多くの人に治癒の料理を振舞うんだ。仕方のない事だ。」 

 

 龍王国は今最高潮の幸せに包まれている

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