第17話「君ならば」

この世界の節目に

死よりも崇高なものはない

生きる事は特別で

死が教えるのは、そうした代物


僕らは生きている

だから死んでいく。


まるで唐突に

まるで無力に


死が運んだ

時間という貴重性


僕らは別れ無しに生きてはいけない

また輪廻があると

また出会えると

今を大切にしようと


愛を育てる


だから今日という日にも

君は泣いている


あまりに優しい

毎日が誰かの命日


それに君は気づいていて

まるで神様のように

毎日手を合わせる


君は優しい

それが重荷であると僕は思ったが

君は感謝してるの、と

そう言って


君の聡明さに僕はまた

美しいと君に見惚れていった。

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