猿
心が破れたらどうすればいいの。身体が散り散りになったらどうすればいいの。だってあなたは何も教えてくれないじゃないか。
針に糸を通すような毎日なんです。
始まる前から立ち止まって、身動き取れなくなって、かと思ったらたまに踊り出したくなって、だけど踊ったら怒られて、今度はすべてを薙ぎ払いたい。毎日必ず誰かは死ぬのに、飽きもせずに祈るというのは、神仏を証明したいんじゃなくって、千切れそうな日常を縫い合わせたいからだよ。千切れていても見て見ぬ振りして、とりあえず生きていたいからだよ。死んだふりするより生きてるふりした方が簡単なんだから、みんな、何かを信じるふりをしている。
原始的な生き物に生まれたからには、互いの体を貪りあって、それで相手を知った気になって、股ぐらから猿を産んだりしなければならないのかもしれない。所詮は猿のままごとなのに、どうしてそんなことで愛なんてものを語れるのだろうと思うこともあるけれど、所詮は私も猿だからその答えには辿り着けないのでした。
個体差があるからね。馬鹿な奴もいれば、諸葛孔明みたいなのもいる。駅ですれ違いざまにぶつかられても、服を着た猿だからと思って、頭の中で、畜生道に堕とすしかないんだよ。畜生が畜生。何になるんだろう。
少なくとも次は、猿ではないのかな。
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