今世ではまさかの猫生です。〜猫の手も借りたいようなので貸してみた〜
夢幻望
【1・オワリとハジマリ】
「お先に失礼しまーす」
日本のとある地方企業で私は仕事を終えると、PCを閉じてまだ残業をしている先輩に声をかけては、足早に職場を後にした。
「今日は待ちに待った新刊の発売日! なろうで原作読んでたけど、マンガもアニメも面白いし、早く買いに行かないと!」
私こと雪沢 亜希は世間でいうアラサー。 独身。 趣味はなろう小説やマンガを読むかアニメ、ゲームが好きで百合や薔薇もイケるすこーし腐混じりの一般人。
今、ハマっているのは異世界転生・転移モノ。 うん、ぶっちゃけ憧れている。妄想に夢を膨らませ、日夜、趣味を満喫していた。
普通だったら、恋人とか結婚とか考えるべきなんだろうけど、これが縁がないんだよね…。 居たのは居たけど、残念…。
そんな事を考えながら帰り道にある本屋に行き、目的の本を手にして内心ニヤニヤしながら歩いていると、周りが騒然としている事に気付いた。
「え……? な、なに?? ………って、アレはヤバいって!!」
私は立ち止まり辺りを見回すと、後方から暴走車が蛇行運転して、建物や看板にぶつけながらこちらに突っ込んできたのだ。
慌てて逃げようと道の脇に向かおうとするが、暴走車の進路先にまさかの小学生の子供が1人、塾帰りなのかバックを持ち慌てふためき、立ちすくんでいる事に気付いた。
「っ……!! ぁ、危ないっっ!!」
咄嗟に私は自分のショルダーバッグと先程買った本を捨てると、一目散に子供を助ける為駆け出し、暴走車の前から子供を突き飛ばしたのだった。
すると、直後に自身の身体全体に走る激しい衝撃と痛み、宙に浮く感覚。
そして、そんな状態の中、脳裏に過ぎったのは子供の時から今までの思い出だった。
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