AIはアマチュア作家にどのような恩恵を齎すか
石たたき
第1回 AIと小説執筆の相性について
初めまして、カクヨムにて活動を開始して早一か月、石たたきと申します。
■各種背景
さて、昨今話題の生成型AI。過去、私は小説の挿絵用にmidjourneyを一か月ほど利用したことがあります。
各種の懸念は残りますが、規約上、midjourneyで生成された画像は、サブスク内で作成されたものであれば、商用を問わず個人で利用可能だとされています。サブスクは安いコースで一か月約1500円。生成枚数の制限こそありますが、契約している期間内に、今後使用する可能性がある画像をまとめて生成しておけば、それなりにコスパの良い使い方が出来るのではないでしょうか。
しかし、前回の使用から約半年後の先月、改めてmidjourneyをサブスクしようと思い立ちましたが、どういう訳か前回使用したクレジットカードにて支払いが通らず(審査的なアレではないはず……)。
そこで考えました。折良くChatGPTの方でも、ちょっと高めのサブスクが必須(月3000円)ですが、DALL - Eという画像生成プラグインが容易に使用できるようになっていましたので、そちらを契約して使用を開始した次第です。
ちなみに契約したのは10月末頃、もう間もなくサブスク期間(GPT - 4、DALL - Eの使用可能期間)が切れます。
以上、画像生成に関する比較や所感はまた別の機会にさせて頂くとして、今回はそのような背景だけ、簡単に記載させて頂きました。
■私のAI利用状況など
基本的には画像生成、及び英訳時の利用が主なものでしたが、今回、ChatGPTをサブスク契約し、今までとは比較にならない程の利用をしておりました。
結果論でありますが、恐らく今回のmidjourneyのサブスク失敗の件がなければ、カクヨムを利用することもなく、現在執筆中のコメディチックなファンタジー小説の執筆開始、及び、後述します短編のSF小説を執筆しようという気にはならなかったでしょう。
その点で、今回の件は非常にありがたいものでした。
さて、何かを書き始める、というのは意外に億劫なものですが、それに対して軽い気持ちでAIに相談することで弾みが付き、「やってみよう」という気分に繋がります。AIが、軽い思い付きや、小さなアイデアを、より具体的に膨らませてくれるという点で、執筆を強力に支えてくれることは事実です。
先述した、コメディチックなファンタジーについては、正直な話、「AIでなろう的な転生物の展開を考えてもらおう」という試みから始まったものです。もっとも、それは初期プロットの相談だけで終わってしまい、以後、特にしっかり調べておくものもなくなりましたので、今では通常通りの手法で制作しています。結局、完成したプロット自体は、当初のものからすると激変していますが、それでも序盤の助けになりました。
そして後者のSF短編。以前、SFの賞の分野でAI小説が登場した、という話を耳にしていましたので、それを自分でもやってみようとして出発したものです。また、モチベ的に、カクヨムコン短編に出してみたいと思ったのもきっかけの一つです。SFに関しては、自身に馴染みのない科学的アプローチが必要なこと、及び不慣れな点を強力にバックアップしてもらい、最初から最後までChatGPTに意見を聞きながら進めております。
ChatGPTのサブスクは一か月で継続せずに終了、GPT-4の利用は終了します。ただ、アカウント登録だけで利用できるGPT-3.5の方は、今後も使い続けると思います。
なお、簡単にですが課金版ChatGPTの特徴を。
まず、返答がhtmlの<h>タグや<li>タグを利用した時のように、見出しや箇条書きが加えられおり、視認性が上昇しています。加えて単純に速度も上がっており、頻繁に使う人にとっては、それらの違いだけでも課金の利点はあるのかな、と思います。
加えて画像生成、ファイル添付機能(大容量の文章を張り付けられる)、ソース付きの検索機能の追加など、無料版では味わえない利点が多々見受けられます。
■AIと小説執筆の相性について
前置きが長くなりましたが、今回のテーマ、「AIと小説執筆の相性について」です。
まず、
さて、現在、ChatGPTのサブスク終了時期が近付いていることもあり、やや急ぎ気味に、SFの短編小説の執筆を開始致しました。目安として一万文字程度のものを想定しています。
それに際し、大まかプロットと流れを想定し、設定を与えた上で、自身の執筆の参考になるかも知れないと、初期にChatGPTに一連の物語の執筆をお願いしてみました。約一万字をお願いしてみたのですが、出て来たのは約5000文字。
やや少ない気はしますがそれはおいておきましょう。内容の所感として、一応は物語調になっており文法は綺麗です。ただ、プロローグ、一話~三話、エピローグという体系なのですが、どれをとっても細かな繋がりが希薄で、無機質的な響きがあり、どことなく質素な感じが見て取れます。
この文章は、現在執筆中の作品の完成のタイミングを見て、まるまる転載しようと考えております。もっとも、前もっての構想時と、三日ほどとはいえ、執筆開始~終了までとでは、当然ながら細かな設定は異なるものなので、直接の比較は出来ないかと思いますが、こういうものなのか、という感覚的なものは伝わるのではないかと思います。
私自身、SFらしいものの執筆は初めての体験でした。たまに要素が含まれているものを読むことはあるのですが、いざ書こうとすると、素人では手軽に手を出しにくいものだと感じました。
その点、私の
■手堅く、即効性の高い使い方
しかし、これはSFに限らないのですが、ChatGPTは小説そのものの執筆を、完全に任せる事はまだ難しいにせよ、その為の資料集め、及びアイデアガチャとしては非常に有用なものです。
時に悩む登場人物名前や、何かしら共通する名の響きを持つ集団など、ちょっと考えるのが面倒な場合などは、一括して候補を出力してもらうことも出来ます。
また、こういう話を書きたい……と相談すると、とにかく数多くのアイデアをすぐに出してくれることも利点です。中には、執筆途中であっても、新たなきっかけを得られることもあり、気分転換に雑談するのもいいですね。
あと、想像以上に大事な事を一つ。時に孤独に陥る執筆スタイルの方としては、非常にありがたい機能です。
そうです、ChatGPTは、結構な頻度で褒めてくれるんですよね。話しを進める際に、返答の序文として以下のような会話をしてくれます。
「読者の好奇心を刺激する要素が豊富に含まれています。」
「設定と物語の背景についてより明確で説得力のある説明を提供しています。」
「物語の中での重要な展開を捉えており、新しいキャラクターの登場による驚きと衝撃をうまく表現しています。以下に、シーンの特に秀逸なポイントと、さらなる強化が可能な部分についてのフィードバックを提供します。」
定型文のようなものだとしても、自分の行為に対して前向きに捉えてくれることは、何とも心強いものです。特に訂正・加筆したものを見て貰うと、高確率で褒めてくれます。
合わせて、ChatGPTは基本的に否定的な発言はしません。我々のやる気を削がぬよう、各種の配慮もなされているように感じます。
一方で、たまに融通が利かない所もあるんですよね(特にGPT-3.5)。何回かやり取りしている内に、少し前の設定を忘れてしまったり、かと思えば直前の指示文をガン無視したり。あとは話題にもなりましたが、それっぽい嘘をさらっと言って来ますので、改めてソースの確認が必要になることもあります。
もっとも、これは指示の仕方や私の使い方が悪い可能性もありますし、ちょっとした努力で改善できることなのかも知れません。
以上、第一回「AIと小説執筆の相性」についてでした。
次回は、現在執筆中のSF短編の原案を与えて、ChatGPTはどういう創作をしたかと、その考察になります。少しお時間を頂きますが、それではまた。
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