オンラインゲーマーがボランティアはじめてみました。
阿月
第1話
「こんばんはトナア」
開口一番、僕はみんなに挨拶をする。
「こんばんは」
「こんばんはー」
「こんこん」
「おはこんばんちは!」
挨拶が返ってくる。
僕がプレイしているファンタシースペースオンラインニュージェネシス、通称NGSは、一応、MMORPG(マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロール・プレイング・ゲーム)である。
「大規模多人数同時参加型」とでも言えばいいだろうか。
大規模というにはちょっとサーバーのブロック単位で参加人数限定されているので、MORPGが、正しいのかな。
とりあえず、wikipediaでは、そういう言葉が使われているのだけど、日本のあちこちからログインして、一緒に冒険できるゲームと思えば、そう間違いはない。
その中で、僕はフレンドさんや、チームの仲間たちと一緒に、日々、おしゃべりをしたり、戦闘をしたり、キャラクリやクリスペをしている。
そうそう。
このキャラクリに関しては説明が必要かも。
このゲーム、世界観はSFである。
SFちっくなメタリックな衣装でアクションゲームをプレイする。
公式サイトの画面写真だけ見ると、そういうゲームだと感じるかもしれない。
だが、そんなことはない。
いわゆる人のカタチを基点にして、戦闘服だけでなく、メイド服やバニーガールの衣装、学校の制服などの様々なコスプレ衣装がある。さらに普段着のセーターやTシャツ。
そして、キャストと呼ばれるロボットの種族が存在し、白い悪魔のモビルスーツもどきからゼンマイで動く恐竜メカもどきまで、あらゆるロボットを構築できる。
さらには。
愛らしい二頭身の鳥の着ぐるみ。
そして、ちょっと間の抜けた顔のトナカイの着ぐるみ。
そのため、みんなの集まるシティの大通りには、様々なキャラクターが闊歩している。
おそらく、キャラクタークリエイトにかけては、日本、いや世界最高峰のゲームのはずだ。
そして、僕はトナカイの姿をメインのアバターとしてプレイしている。
キャラネームはホワイトハウス。
人によっては僕のことを「ホワイトさん」と呼ぶ人もいる。
フレンドリストにチームメンバーリストを開いて、ざっくり確認。
それとチームチャットの流れを読む。
パグさんたちを中心に、他愛ない雑談をしている。
「キモオタのキャラつくったんだけどさ、結構キモくて気に入っているんよ」
と、通称黒箱さんこと、Blackboxさん。
相手はロレさんかな?
「えー、これがキモいということは、リアルはイケメンさんでし?」
「いやいや、イケメンではないんよ。まあ、カッコいいの作れんかったから、ネタに全振りした感じで」
「まあ、いそうでし、こういう人」
「前のチームのマスターはかわいいって言っててさあ、そこはちょっと理解できなかった」
ふむ。キャラクリ話だね。
では。
新しいキャラクリの披露に向かおう。
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