第23話 『ウィッシュ』 【映画】

 1月の終わりにディズニー100周年記念作品、『ウィッシュ』を子どもと一緒に見てきた。


『ウィッシュ』 

https://www.disney.co.jp/movie/wish


 実は子どもの一番希望は『仮面ライダー』だったけれど、かなり早い時間で間に合わなかった。そのため他の予告動画を見て気に入ったことから『ウィッシュ』に決まった。


 『ウィッシュ』についてはYouTubeの予告とNHKの特集もたまたま見ていた。ふわっとした印象しかなかったけれど、とにかく王様が悪役で、スターというキャラクターが出てくることくらいをつかんで上映を待つ。


 始まったと思ったら、実は最初は本編ではなく100周年記念の『ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出』で子供はがっかり(笑) 


「なにこれ?」と怪訝そうに見ていたが、知らないキャラクターばかりの中で、かろうじてアリスやシンデレラ、白雪姫で何とか見続けることができた。(著作権切れのアリスや白雪姫、シンデレラを使った吹替パロディ動画で知っている程度)


 逆に私は自分の母親の影響で、初期のディズニー作品はほぼ見ていることから、懐かしい上に吹替のセリフがすでに亡くなった方の声もあり、ぐっときてしまった。


 吹き替え版は映画館のみの特別らしく、英語版はYoutubeでも見れる。

この中に登場するキャラクターたちを解説した動画もあるので、ディズニーを好きな方は必見だろう。


 ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出

https://www.youtube.com/watch?v=gB90me0aqSY


 『ウィッシュ』の前に堪能してしまったので、個人的にはこれだけでも大満足だったのだが、事前評判のわりに『ウィッシュ』はそれなりに楽しめた。


 「それなり」と書いたのは一部どうしても納得がいかないというか、自分の中ではちょっと展開が早すぎて、一曲歌い終わる間に主人公のアーシャがそれまで信じてた王を疑い、なんてひどい! と立ち上がるところが、いやいやいや? 今まであれだけいい王様と持ち上げておいてそれは早すぎないか? と思ったから。


 ところが子どもはそれが良かったらしい。ちょっと短絡的すぎない? と思ったけれど、あそこをもう少し何とかしてくれればもう少し感情移入できたかも思いつつ、子供には口をつぐむ。せっかくの楽しい気持ちに水を差してはいけない。


 ただ帰りの車で曲だけを聞いていると、ちゃんとスムーズに展開していて驚いた。曲だけ聞けば完璧。でも映画としてみたときの違和感に少々一人で悩んでしまった。とはいえ、意外とこんな感じだったかもと古いディズニーを見直すと「うーん?」となる。難しい。


 ともあれ、子供は王様が悪役と知っているので、登場するシーンがどれだけ穏便でもずっと「怖い怖い怖い」と言いながら夢中で見ていた。


 スター登場では目を輝かせ、途中トイレ休憩で怖い王様の歌うシーンはスキップし(私は残念。でも動画で見ていたので自己補完)、意外な人物の裏切りや、力を合わせて仲間とともに苦難を乗り越えるシーンなどは、今までのプリンセス系のディズニーにはないパターンかも? と思う。


 見終わった後の子供の感想は「もう一回見たい!」 スターのぬいぐるみを欲しがったがあいにくとショップにはなく、どこかでディズニーショップに行くことを考えたほうがいいかもしれない。


 最後の合唱は子供のお気に入りシーンになった。ストーリーを自分なりにどうかみ砕いて見れるかが必要かもしれないけれど、子供の時に映画館でディズニー映画を見る経験はよいと思う。


 去年の夏に『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を見たけれど、あちらも親子で見ると子供は新鮮さで楽しみ、親世代はなつかしさで楽しめた。


 100年という長い時間、様々なキャラクターたちが作られ、それを享受してきた私にとっては、何十年前の作品を親子3代、4代にわたり一緒に見て語れる特別さは、もしかすると当たり前ではなくすごいことだと、改めてこれを書いて感じたところである。

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